スグレタブログ編集部オンラインピルとは?低用量ピルの種類と費用の分かれ方
オンラインピルとは、オンライン診療で医師の診察を受けて処方されるピルのことです。 薬そのものが特別なわけではなく、病院で処方されるピルと同じ医療用医薬品を、診察の方法だけオンラインにしたものです。 ここで押さえておきたいのが、ピルは使う目的によって、費用の扱いが変わる点です。 日本産婦人科医会の資料では、避妊を目的とするものをOC(経口避妊薬)、月経困難症などの治療を目的とするものをLEP(低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬)と呼び分けています。| 項目 | 避妊目的(OC) | 月経困難症などの治療目的(LEP) |
|---|---|---|
| 主な目的 | 妊娠を防ぐ | 生理痛や経血量の多さなどの治療 |
| 健康保険 | 使えない(自費) | 診断がつけば使える |
| 保険適用の薬の例 | なし | ヤーズ、ルナベル、フリウェル、ジェミーナ |
| 診察で聞かれやすいこと | 喫煙、年齢、持病、家族の血栓症 | 生理痛の程度、経血量、子宮内膜症の疑い |
オンラインピルは初診から処方してもらえる?厚労省の指針
オンライン診療のルールは、厚生労働省の「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に書かれています。 この指針は令和8年4月に一部改訂されています。 ピルに関係する部分は次のとおりです。| 論点 | 指針や厚労省の案内の内容 |
|---|---|
| 初診の原則 | 初診は、日頃から診ている「かかりつけの医師」が行うことが原則 |
| かかりつけ以外の医師の場合 | 医学的な情報が十分に分かる場合を除き、まず「診療前相談」(映像を使ったやりとりで症状や医学的情報を確認する)を行う。診断や処方は含まれない |
| 診察の方法 | リアルタイムの映像と音声が必要。文字や写真、録画動画だけで診療を終えてはならない |
| 初診で処方しない薬 | 麻薬・向精神薬、基礎疾患などが分からない患者への特に安全管理が必要な薬、同じく8日分以上の処方 |
| ピルの扱い | 厚労省の患者向け案内は、「全てのホルモン製剤(低用量ピルなど)」を、初診では処方すべきでないと判断し得る薬の例に挙げている |
- 問診票を送るだけで処方されるように読める
- チャットやメールだけで診察が終わる
- 持病や飲んでいる薬を聞かれない
指針は、リアルタイムの映像と音声による診察を求めています。診察の内容が分からないまま申し込むのは避けましょう。

医療機関側がオンライン診療でどんな決まりを守る必要があるのか、違反事例も含めて知りたい場合は、こちらの記事も参考になります。
オンラインでピルを処方してもらう流れ
オンライン診療の標準的な流れは、厚労省の案内でも示されています。 ピルの場合の進め方を、次の順にまとめました。- 医療機関を選ぶ:かかりつけの婦人科があれば、オンライン診療に対応しているかを問い合わせる。ない場合は、厚労省が案内する「医療情報ネット」で近くの医療機関を探す
- 予約と事前の入力:診察の日時を決め、問診票に症状、持病、飲んでいる薬、喫煙の有無、家族の病歴を書く
- 本人確認書類を用意する:初診では、顔写真付きの身分証明書を使うのが原則。保険診療を受ける場合は、健康保険証の提示も求められる
- ビデオ通話で診察を受ける:静かで、周りに聞かれにくい場所で受ける。血圧などを自宅で測れる場合は伝える
- 処方と支払い:医師が必要と判断すれば処方される。支払い方法は医療機関ごとに違い、クレジットカード払いなどがある
- 薬を受け取る:薬局での受け取りや配送など、方法は医療機関による
- 経過の連絡と定期的な診察:飲み始めの体調を伝え、決められた時期に診察や検査を受ける
診察の前に準備しておくこと
診察の時間は限られるため、次の内容を紙やメモにまとめておくと、答え漏れが減ります。- 最終月経の開始日と、周期が安定しているか
- 生理痛や経血量で困っていること、ピルを使いたい理由
- 喫煙の有無と本数、身長と体重
- 持病、過去の手術、いま飲んでいる薬やサプリメント
- 家族に血栓症(脚や肺の血管が詰まる病気)、乳がん、心臓や脳の病気になった人がいるか
- 片頭痛の有無(目の前がチカチカするなどの前ぶれがあるか)
診察のときに医師と確認し合うこと
指針は、オンライン診療を始める前に、医師と患者のあいだで「診療計画」という取り決めをするよう求めています。 患者の側から見ると、次の内容を説明してもらえているかが、安心して受けられるかの目安になります。| 診療計画に含まれる内容 | ピルの場合に確かめたいこと |
|---|---|
| オンラインで行う診療の内容 | どの薬を、何の目的で処方するのか |
| オンラインと対面、検査の組み合わせ | 血圧測定や検査は、いつ対面で受けるのか |
| オンライン診療を行わないと判断する条件 | どんな場合に対面へ切り替えるのか |
| 急な体調の変化への対応 | 夜間や休日に症状が出たとき、どこへ連絡するのか |
| 診療時間と方法 | 予約制か、使うアプリやソフトは何か |
医師の資格は確認できる
指針では、医師が資格を持っていることを、患者が確認できる環境を整えるよう求めています。 厚生労働省の「医師等資格確認検索」では、医師の氏名、性別、医籍登録年から資格を調べられます。 医師の氏名が公開されていない、診察のときに名乗らないといったサービスは、避けたほうが安全です。 診察の本人確認は、医師と患者の双方が、身分証明書を使って行うのが原則です。 初診では、患者の本人確認に、顔写真付きの身分証明書(マイナンバーカード、運転免許証、パスポートなど)を使うのが原則です。オンライン診療と対面診療、どちらが向いているか
オンライン診療は、画面から得られる視覚と聴覚の情報だけで診察する方法です。 血圧測定や内診などは、対面でなければ実施できません。 指針は、オンライン診療が望ましくないと判断される場合は、対面診療に切り替えるとしています。 次のような場合は、まず対面で受診するほうが向いています。- はじめてピルを飲む:持病や体質を医師が把握していないため、診察の情報が限られる
- かかりつけの婦人科がなく、血圧や体重の基準が分からない
- 喫煙している、片頭痛がある、家族に血栓症の人がいるなど、気になる点がある
- 生理痛や出血が強く、病気が隠れていないか調べたい
- すでに飲み始めていて、体調に変化が出ている
| 比べる点 | オンライン診療 | 対面診療 |
|---|---|---|
| 通院の手間 | 移動や待ち時間が少ない | 来院する必要がある |
| 血圧測定・内診 | 画面越しでは実施できない | その場で実施できる |
| 診察で得られる情報 | 映像と音声に限られる | 触診や検査も含められる |
| 初診での処方 | ホルモン製剤は断られることがある | 医師が診察して判断する |
| 向いている場面 | 体調が安定した継続処方 | 初めて飲む前、体調に変化があるとき |
オンラインピルの費用の考え方
オンラインピルの費用は、サービスや医療機関ごとに大きく違います。 そのため、この記事では各サービスの具体的な金額は載せません。 料金は変更されやすく、薬の種類や処方する日数、診察の有無でも変わります。 比べるときは、月額の薬代だけを見るのではなく、次の項目がすべて含まれているかを確認しましょう。| 確認する項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 診察料 | 初診と再診で金額が違うか。診察のたびに必要か |
| 薬代 | 薬の種類(先発品かジェネリックか)と1回に出る日数 |
| 送料・手数料 | 配送の費用や、システム利用料が別にかかるか |
| 検査費用 | 血圧測定や血液検査が必要になったとき、別料金か |
| 支払い方法 | カード払いのみか。後日の窓口払いや銀行振込に対応するか |
| 継続の条件 | 定期購入や、解約・休止のときの決まりがあるか |
| 健康保険 | 目的が月経困難症などの治療なら、保険診療に対応しているか |
保険診療と自費診療の使い分け
生理痛がつらい、経血量が多いといった症状で、医師が月経困難症と診断した場合は、LEPを保険診療で処方してもらえる場合があります。 避妊が目的の場合は自費になります。 オンライン診療でも、保険診療を受けるときは健康保険証が必要です。 同じ薬でも保険と自費で金額が変わるため、受診の目的を最初に医師へ伝えることが大切です。
スグレタブログ編集部オンラインピルの選び方と、受診前に見る点
オンラインピルを提供するサービスは多く、どれを選ぶかで迷う人もいます。 この記事は特定のサービスをすすめるものではありません。 選ぶときは、広告の見た目よりも、医療機関としての情報が公開されているかを見ます。- 医療機関名と所在地、医師名が書かれている:誰が診察するのかが分からないサービスは避ける
- 診察がビデオ通話である:チャットだけで済ませる説明は、指針に合わない
- 問診で持病や喫煙、飲んでいる薬を聞かれる:聞かれないまま処方されるなら不安が残る
- 対面の診察が必要になる場面が説明されている:体調に異変があったとき、近くの医療機関へ案内してくれるか
- 副作用や中止の目安が書かれている:血栓症の症状など、リスクの説明があるか
- 料金の総額が分かる:診察料、薬代、送料などがまとめて確認できる

ホルモンを使った治療の広告で、美容効果をどこまで書けるのかは、こちらの記事で解説しています。
ピルを飲む前に知っておきたい副作用と血栓症
日本産婦人科医会は、低用量ピルの副作用の多くは、飲み始めの時期にみられる吐き気や不正出血などの軽いものと説明しています。 一方で、特に気をつけたい副作用が血栓症です。 血栓症は、血管の中で血のかたまりができて血流を止める病気です。 厚生労働省が、ヤーズ配合錠の使用上の注意を改訂したときの通知(2014年)では、血栓症が致死的な経過をたどることがあるとして、次の症状が出たら直ちに服用を中止するよう定めています。- 下肢の急激な痛みやむくみ
- 突然の息切れ、胸の痛み
- 激しい頭痛
- 手足の脱力やまひ、ろれつが回らない
- 急に目が見えにくくなる
スグレタブログ編集部オンラインでは判断しにくいこと
血圧測定や内診、血液検査などは、画面越しではできません。 千葉県の診療所の例でも、血圧測定や内診は年1回の来院時に実施するとされています。 ピルを飲み続けるなら、オンライン診療だけで完結させず、定期的に対面で検査を受ける計画を立てておくと安心です。緊急避妊薬(アフターピル)はオンラインピルと別の仕組み
「ピル」と呼ばれても、毎日飲む低用量ピルと、避妊に失敗したあとに飲む緊急避妊薬は、使い方も入手の仕組みも違います。 日本産婦人科医会によると、緊急避妊薬は性交後72時間以内に1回飲むもので、約80%の確率で妊娠を避けられるとされています。 中絶薬ではありません。 緊急避妊薬は、次の2つの方法で入手できます。| 方法 | 内容 |
|---|---|
| 薬局・ドラッグストア | 2026年2月2日から、要指導医薬品のノルレボが、要件を満たした薬局などで買えるようになった。研修を修了した薬剤師の説明を受け、薬剤師の面前で服用する |
| オンライン診療 | 産婦人科医または厚労省が指定する研修を受けた医師が、地理的な事情などの条件で初診から行う場合がある。処方は1錠のみで、薬局で薬剤師の面前で服用する |
薬の受け取りとプライバシーで気をつけること
指針では、処方する薬は、医師が自分で処方内容を確認し、薬剤師による処方のチェックを経ることが基本とされています。 また、医師には、患者がかかりつけの薬剤師や薬局のもとで、飲んでいる薬をまとめて管理することを求めるのが望ましい、とされています。 ピルは、ほかの薬や市販薬との組み合わせで注意が必要になる場合があるため、薬局でも飲んでいる薬を伝えておくと安心です。- 診察でも薬局でも、飲んでいる薬やサプリメントを正確に伝える
- 処方された薬の名前と飲み方を、薬の袋や説明書で確認する
- ほかの医療機関にかかるときは、ピルを飲んでいることを伝える
- 処方を受けた薬は、本人だけが使い、他人に譲らない
オンライン診療でトラブルになったときの相談先
オンラインピルのトラブルは、内容によって相談先が変わります。| 困りごと | 相談先 |
|---|---|
| 契約や解約、定期購入、料金の請求 | 消費者ホットライン「188」 |
| 飲んでいて体調が悪い、血栓症が疑われる | すぐに服用を中止し、医療機関や救急へ。ピルを飲んでいることを伝える |
| 薬の飲み方や飲み合わせへの不安 | 処方した医療機関、薬局の薬剤師 |
| 性被害にあった可能性がある | 性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター「#8891」 |
| 医療機関の探し方が分からない | 厚生労働省が案内する「医療情報ネット」 |
個人輸入やSNS経由でピルを入手するのは避ける
医療機関を通さずに、海外の通販サイトやSNSの取引でピルを手に入れる人もいますが、これはおすすめできません。 厚生労働省は、医薬品の個人輸入について、次の危険を挙げています。- 日本の副作用被害救済制度の対象にならない
- 正規品を装った偽造品や、不衛生な環境で作られた製品の可能性がある
- 副作用が出ても、輸入代行業者が責任を負わないことがある
- 医師の診察、処方、経過観察が必要とされている薬もある
オンラインピルでよくある質問
オンラインピルは初診から処方してもらえますか?
医師の判断しだいで、必ず処方されるとは限りません。厚生労働省の患者向け案内では、低用量ピルなどのホルモン製剤は、初診のオンライン診療で処方すべきでないと判断され得る薬の例に挙げられています。初診は対面を条件にしている医療機関もあるため、予約前に確認してください。
チャットやメールだけで診察を受けられますか?
受けられません。指針では、リアルタイムの映像と音声による診察が必要で、文字、写真、録画動画だけで診療を終えてはならないとされています。
ピルは保険が使えますか?
避妊を目的とする場合は保険が使えず自費です。月経困難症などと診断され、ヤーズ、ルナベル、フリウェル、ジェミーナなどの保険適用の薬が処方される場合は、保険診療になることがあります。
オンライン診療を受けるときに必要なものは何ですか?
パソコン、スマートフォン、タブレットなど映像が使える機器と、通信環境が必要です。本人確認のため、マイナンバーカード、運転免許証、パスポートなどの書類も求められます。保険診療を受ける場合は健康保険証も必要です。
緊急避妊薬もオンラインで処方してもらえますか?
一定の条件を満たす場合に限り、産婦人科医または厚生労働省が指定する研修を受けた医師が、初診からオンライン診療を行うことがあります。処方は1錠のみで、薬局で薬剤師の面前で服用し、約3週間後に産婦人科の対面診療を受けます。2026年2月からは、要件を満たした薬局で、要指導医薬品の緊急避妊薬を購入することもできます。
診察ではどんなことを聞かれますか?
生理の周期、生理痛や経血量、喫煙の有無、身長と体重、持病や手術歴、飲んでいる薬、家族の病歴などです。ピルを安全に飲めるかを医師が判断する材料になるため、聞かれた内容は正確に答えてください。
飲み始めたあとも、対面の診察は必要ですか?
医療機関の方針によります。厚生労働省の事例集にある婦人科診療所では、初診と1か月後に対面診療を行い、問題がなければオンライン診療へ移り、その後も年1回は来院して血圧測定や内診を行っています。診療計画で、対面の頻度を確認しておきましょう。
ピルを飲んでいて、足の痛みや強い頭痛が出ました。どうすればよいですか?
血栓症の可能性があるため、軽く感じても服用を中止して、すぐに医療機関を受診してください。急な息切れや胸の痛み、手足のまひ、見えにくさがあるときは救急での受診が必要です。受診時は、ピルを飲んでいることを必ず伝えてください。


