スグレタブログ編集部スポーツブラが必要な理由は「ユレ・ズレ・ムレ」を減らすため
スポーツブラの役割は、運動中の不快感をおさえて、体を動かしやすくすることです。 ワコールの「CW-X」開発担当者は、運動時の3大ストレスを「ユレ・ズレ・ムレ」と説明しています。 バストは、ジョギングや球技のような激しい運動でなくても動きます。 ワコール人間科学研究開発センターの研究では、ジョギングや球技ではバストが円を描くように動き、歩く程度でも上下に動くことが分かったとされています。バストが揺れるとき、体に何が起きるか
ワコールウェブストアは、バストには筋肉がなく、運動で鍛えることができないため、揺れをおさえるには外からのサポートが必要だと説明しています。 大学の研究でも、揺れ方は確認されています。 京都女子大学の岡部和代さんと京都工芸繊維大学の黒川隆夫さんの実験では、ブラを着けていないときの乳房は、左右よりも上下に大きく振れました。 走っているときは、体の外側(わき側)の振れが大きくなることも報告されています。 また、スポーツブラを着けると揺れはおさえられたものの、走行時のわき側の揺れは十分にはおさえきれていませんでした。 つまり、スポーツブラを着ければ揺れがなくなるわけではなく、運動の強さに合うサポート力のものを、サイズが合う状態で着けることが大切です。普通のブラとスポーツブラの違い
CW-XのFAQでは、一般的なブラは硬いワイヤーでバストラインを整える一方、運動中はワイヤーが胸に当たって不快になることがあると説明されています。 スポーツブラは、ワイヤーを使わずにバスト全体を面で支える設計のものが中心です。 ワコールは、汗が残りにくい生地を選んでいる点も特徴に挙げています。| 項目 | ふだん使いのブラ | スポーツブラ |
|---|---|---|
| 主な目的 | バストの形を整える | 運動中のユレ・ズレ・ムレをおさえる |
| ワイヤー | 入っているものが多い | 入っていないものが中心 |
| 支え方 | 下から持ち上げる | バスト全体を面で支える |
| 素材 | デザイン重視のレースなども多い | 汗が残りにくい生地が中心 |
筑波大学の研究グループによる2024年の文献レビュー(体育学研究69巻)では、多くの研究が「運動中の乳房の動きは減らしたほうがよい」「スポーツブラはそのために有効」という点で一致しています。
一方で、研究ごとに測り方や結論が異なる部分もあるとされています。
そのため、この記事では「揺れると必ず下垂する」といった断定はしません。運動中の痛みや不快感を減らすために着ける、という位置づけで選び方を整理します。
運動の強さ(ロー・ミディアム・ハイ)で選ぶ
スポーツブラは、運動で受ける衝撃の大きさに合わせて、サポート力の違うタイプに分かれています。 ワコール「CW-X」はHIGH・MEDIUM・LIGHT、ナイキはハイ・ミディアム・ライトサポートという呼び方で、考え方はほぼ同じです。| 強さ | 運動の例 | 選ぶサポート力 |
|---|---|---|
| ハイインパクト | ランニング、ジョギング、球技、テニス、バスケットボール、ジャンプを多く含む高負荷トレーニング | ハイ(サポート力が最も高いタイプ) |
| ミディアムインパクト | ジムでの筋力トレーニング、サイクリング、ローイング、軽いジョギング、ダンス | ミディアム |
| ローインパクト | ヨガ、ピラティス | ライト |
ハイ:走る・跳ねる運動
ワコールは、マラソン、ジョギング、球技のように飛んだり跳ねたりする運動には、サポートタイプ「HIGH」を勧めています。 HIGHのCW-Xは、独自の5方向のサポート機能でバストのユレをおさえる設計です。 全面を固めすぎると苦しさやずり上がりが出るため、ユレに合わせて動きながらおさえる構造になっているという説明です。 ナイキも、ランニングやジャンプなどのハイインパクトな運動には、バストの揺れをおさえるサポート性の高いタイプを選ぶよう案内しています。ミディアム:ジムトレーニングや軽いジョギング
ミディアムは、そこまで激しくない運動向けです。 ワコールは、スポーツブラを初めて使う人の「スポーツブラデビュー」にも向くタイプとして紹介しています。 ナイキはサイクリング、ローイング、筋力トレーニングをミディアムインパクトの例に挙げ、多方向からのサポートは必要でも、ハイほどの強さは要らないとしています。 ジムに通う人の運動の目安や費用は、スポーツジムの記事で整理しています。
ジムでは、ランニングマシンを使う日と、マシントレーニングだけの日で運動の強さが変わります。
走る日があるなら、ミディアムではなくハイを選んでおくと安心です。
ロー:ヨガやピラティス
ヨガやピラティスのように、ゆっくり大きく体を動かす運動には、サポートが軽めのライトタイプで足ります。 ワコールのライトタイプは、体の動きになじむやわらかい着け心地で、ストラップが細いものや丈が長いものなど、デザインの種類が多いと紹介されています。 ただし、ナイキは胸が大きい人は、ローインパクトの運動でもミディアム以上のサポートを勧めています。 ライトでは動きでずれる、揺れが気になる、という人は、一段上のタイプを試してください。
スグレタブログ編集部失敗しないサイズの測り方とフィット確認
スポーツブラは、サイズが合っていないと、サポート力のあるタイプでも効果が出にくくなります。 筑波大学の文献レビューでも、多くの女性が合わないサイズのブラを選んでいる点が課題として挙げられています。トップとアンダーを測る手順
ワコールのサイズガイドでは、次のように測ります。- トップバスト:胸のふくらみのいちばん高い部分を、ブラを着けたときのようにバストを持ち上げて測る
- アンダーバスト:胸のふくらみのすぐ下を、鏡で横から見てメジャーが水平になるように測る
- トップとアンダーの差が、カップサイズになる
| アンダーバストの範囲 | サイズ表記 |
|---|---|
| 62.5〜67.5cm | 65 |
| 67.5〜72.5cm | 70 |
| 72.5〜77.5cm | 75 |
| 77.5〜82.5cm | 80 |
| 82.5〜87.5cm | 85 |
着け方でフィット感が変わる
同じブラでも、着け方でバストの収まりが変わります。 CW-XのFAQでは、足元から着用するタイプの着け方を次のように案内しています。- たぐり寄せて両手で持ち、両足を入れてウエストまで引き上げる
- 前中心を合わせながら、アンダー部分まで引き上げる
- 肩ひもを通して、アンダーバストの位置を安定させる
- 上体を前に倒した姿勢で、片側ずつバスト全体を手で包み、中央に寄せながら肩の方向へ引き上げてカップに収める
試着で確かめる4つのポイント
CW-XのFAQでは、購入時は必ず試着してフィット感を確かめるよう案内しています。 着けたあとは、腕を2〜3回上げ下げして、アンダーバストや肩ひもがずれないかを確認します。 次に、上半身を左右に2〜3回ひねっても、ブラがずれないか確かめます。- アンダーが上にずり上がらない
- 肩ひもが肩から落ちない、食い込まない
- カップの中でバストが浮かない、はみ出さない
- 深呼吸や腕の上げ下げで、苦しくならない
サイズ以外にも見ておきたい形と機能
サポート力とサイズが決まったら、形や機能を比べます。| 見る点 | 違い | 選び方の目安 |
|---|---|---|
| バックスタイル | Yバックは肩甲骨の動きをさまたげにくい。クロスバックは体になじみやすい | 腕を大きく動かすなら Yバック、ずれにくさを重視するならクロスバック |
| パッド | 取り外せるものと、カップ一体のものがある | 洗いやすさや透け感が気になるなら取り外せるタイプ |
| カップとアンダーの展開 | S・M・Lの表記のみのものと、カップ×アンダーで選べるものがある | 大きめバストの人は、カップ×アンダーで選べるタイプを優先する |
| 素材 | 汗が残りにくい速乾素材、ムレにくいメッシュなど | 汗をかく運動が中心ならメッシュ付きなど通気性のよいもの |
CW-Xのタイプ別の仕組み(例)
仕組みの違いが分かると、売り場で説明を読んだときに比べやすくなります。ここではワコールのCW-Xを例にします。| タイプ | 仕組み | 想定されている運動 |
|---|---|---|
| HIGH | 5方向のサポート機能でバストのゆれを軽減。ユレに合わせて動きながらおさえる設計 | マラソン、ジョギング、球技 |
| MEDIUM | デルタサポート機能(バストの上に三角状のサポートをつけ、上下のユレを軽減) | ジムトレーニング、ジョギング、ダンス |
| LIGHT | 体の動きに追随してズレを軽減。やわらかな着け心地 | ヨガ、ピラティス |
運動や悩み別の選び方の例
ここまでの内容を、よくあるケースに当てはめてみます。初めてスポーツブラを買う場合
何から始めるか迷うなら、運動の内容を1つ決めて、その強さのタイプから選びます。 ジムでの軽い運動と週1回の軽いジョギングなら、ミディアムを試す人が多いです。 ワコールもミディアムを、スポーツブラ初心者向けのタイプとして紹介しています。走る習慣がある場合
ランニングやジョギングが中心なら、ハイを選びます。 走ると、胸の外側の揺れがおさえきれなくなる傾向が研究で報告されているため、わき側までしっかり包まれているか、試着で確かめるとよいです。ヨガやピラティスが中心の場合
ライトで足りるケースが多く、ストラップや丈のデザインから選べます。 胸が大きい人は、ずれたり揺れたりしにくいミディアム以上も候補に入れてください。ふだんのブラやナイトブラとの兼用を考える場合
スポーツブラは、運動のための下着として設計されています。 夜に着けるナイトブラとの違いは、別の記事で整理しています。
ナイトブラは、就寝中の動きに合わせた設計で、運動時の揺れを想定した作りではありません。
運動のときはスポーツブラ、夜はナイトブラ、と用途で分けるのが基本です。
価格の目安と買う場所
スポーツブラの価格は、メーカーとサポート力によって幅があります。 ワコールウェブストア(確認日2026年10月21日)の「スポーツブラの選び方」ページに掲載されているCW-Xの税込価格は、次のとおりです。| サポートタイプ | 主な運動 | 掲載されている税込価格 |
|---|---|---|
| HIGH | マラソン、ジョギング、球技 | 5,830円〜7,260円 |
| MEDIUM | ジムトレーニング、ジョギング、ダンス | 4,730円〜5,390円 |
| LIGHT | ヨガ、ピラティス | 4,400円〜9,900円 |
1年あたりの費用で考える
買い替え頻度が人によって違うため、1年あたりで考えると比べやすくなります。 たとえば、MEDIUMの5,060円(税込)のスポーツブラを2枚持ち、交互に着て1年で2枚とも買い替えるなら、1年で10,120円です。 HIGHの6,490円(税込)を1枚だけ買って1年着るなら、1年で6,490円です。 これは計算例であり、実際の買い替えの時期は、運動の頻度や洗濯の回数で変わります。 安い1枚を毎日洗って使うより、2枚を交互に使うほうが、1枚あたりの傷みを減らしやすくなります。店舗とネットのどちらで買うか
CW-Xは、購入時は必ず試着して選ぶよう案内しています。 初めてのブランドやタイプは、店舗で試着してサイズを決めるほうが失敗しにくいです。 サイズが分かっていて、同じブランドで買い足すなら、ネット通販でも選びやすくなります。 ネットで買うときは、サイズ交換や返品の条件、送料の負担を購入前に確認します。 ワコールウェブストアには、サイズ交換や返送料を無料とする案内があります(掲載内容は変わることがあります)。 スポーツ用品全般を安く買う方法は、別の記事でまとめています。
下着は肌に直接触れるため、返品できる条件の確認が特に重要です。
通販でトラブルが起きて販売店と話がまとまらないときは、消費者ホットライン(188)に電話すると、最寄りの消費生活相談窓口を案内してもらえます。
お手入れと買い替えの目安
洗い方と干し方
ワコールのお手入れ案内(ブラ全般)では、まず取扱い表示を確認することが前提です。 そのうえで、洗濯機で洗う場合は、ホックを留めて洗濯ネットに入れ、弱水流で5〜6分程度洗います。 全自動の洗濯機なら、ソフト洗いやランジェリーコースに設定します。 ブラは意外に汗を吸っているため、着用のたびに洗うよう案内されています。 干すときは、風通しのよい日陰か室内にします。 日光や紫外線は、黄ばみや素材の傷みの原因になります。 ワコールは、乾燥機の熱はブラを傷める原因になるとして避けるよう案内しています。- 取扱い表示を確認する
- ホックやファスナーを閉じて、洗濯ネットに入れる
- 弱水流で洗い、ネットのまま軽く脱水する
- カップの形を整えて、陰干しにする
しまい方
ワコールは、ブラをしまうときはホックを留め、カップの形がつぶれないように収納するよう案内しています。 具体的には、形を整えてホックを留め、両脇を軽く折り曲げ、ストラップをカップの中にしまいます。 ほかのブラを傷めないためにも、余裕を持って収納するのがよいとされています。買い替えのサイン
ワコールが2024年5月に2,002人に行ったウェブ調査では、ブラの買い替え頻度は「1年に1回」が33%、「半年に1回」が31%、「2年に1回」が15%でした。 個人差が大きく、使用回数や洗濯の頻度によっても変わるため、期間よりも状態で判断します。| 見た目のサイン | 着けたときのサイン |
|---|---|
| カップがシワシワでへこんでいる | ジャンプすると胸が大きく揺れる |
| アンダーやサイドのメッシュ・ゴムが伸びたり、薄くなったりしている | 両肩を回すと肩ひもが落ちる |
| 調整してもストラップがずれる | バンザイをするとブラがずれ上がる |
スポーツブラ選びのよくある失敗
- 運動の強さを考えず、デザインだけで選ぶ(走る人がライトタイプを選ぶなど)
- サイズを測らず、ふだんのブラと同じ感覚で選ぶ
- 試着せずに、通販でサイズ交換の条件を確認しないまま買う
- きつすぎるものを選び、呼吸が苦しくなる
- 伸びたまま使い続け、揺れや肩ひものズレを我慢する
スポーツブラのよくある質問
スポーツブラは普通のブラと何が違いますか?
ワイヤーを使わずにバスト全体を面で支える設計のものが中心で、運動中のユレ・ズレ・ムレをおさえることが目的です。ふだん使いのブラは形を整えることが主な目的で、硬いワイヤーが運動中に当たって不快になる場合があります。
ヨガやウォーキングでもスポーツブラは必要ですか?
ヨガやピラティスのような運動では、サポートが軽めのライトタイプで足りるとされています。ただしワコールは、歩く程度でもバストは上下に動くと説明しています。着け心地が楽なライトタイプから試す方法もあります。
胸が大きい場合は、どのタイプを選べばよいですか?
ナイキは、胸が大きい人はローインパクトの運動でも、ミディアム以上のサポートのスポーツブラを勧めています。サイズ展開が広いブランドを選び、カップとアンダーの組み合わせで合うものを試着で探してください。
スポーツブラはどのくらいで買い替えますか?
決まった期間はなく、状態で判断します。ワコールの調査(2024年5月、2,002人)では、買い替え頻度は「1年に1回」が33%、「半年に1回」が31%でした。ジャンプで胸が大きく揺れる、肩ひもがずれる、ゴムが伸びるなどが買い替えのサインです。
サイズが合っているかは、どう見分けますか?
腕を2〜3回上げ下げして、アンダーバストや肩ひもがずれないか確認します。次に、上半身を左右に2〜3回ひねってもずれないかを見ます。カップの浮きや食い込み、息苦しさがないかも合わせて確かめてください(CW-XのFAQの案内にもとづく)。
ネットでスポーツブラを買うときに気をつけることは?
サイズが分からないまま買うと失敗しやすいため、トップとアンダーを測ってからサイズ表と照らし合わせます。あわせて、サイズ交換や返品の条件、送料の負担を購入前に確認してください。
まとめ:運動の強さとサイズを決めてから選ぶ
スポーツブラ選びは、次の順番で進めると迷いにくくなります。- よくする運動の強さ(ロー・ミディアム・ハイ)を決める
- トップとアンダーを測り、サイズの目安を出す
- 試着して、腕の上げ下げと体のひねりでずれを確かめる
- 洗濯のしかたを確認し、揺れやズレが増えたら買い替える
参考にした情報
- ワコール「ワコールのスポーツブラは何が違う?」(キレイの知恵袋)
- ワコールウェブストア「スポーツブラ(スポブラ)の選び方」「ブラの測り方・選び方」「下着のお手入れ方法」「ブラの買い替えどきと捨てかた」
- CW-X FAQ(ワコール)
- ナイキ「適切なスポーツブラを選ぶには」(2026年1月9日更新)
- 岡部和代・黒川隆夫「運動に伴う乳房振動の特性分析とスポーツブラジャーの防振デザインへの反映」(デサントスポーツ科学23)
- 武田理ほか「運動・スポーツ時における女性特有の乳房に関する傷害とその防止に関する文献レビュー」(体育学研究69巻、2024年)


