バーチャルカードとは?実物カードとの違い
バーチャルカードとは、プラスチックなどの券面を発行せず、スマートフォンのアプリやWebの会員ページに表示されるカード番号・有効期限・セキュリティコードで決済するカードです。 「カードレス」「デジタルカード」「オンラインカード」などと呼ばれることもあります。 どれも、実物のカードが手元に届かないという点は共通しています。| 項目 | バーチャルカード | 実物のカード |
|---|---|---|
| 券面 | なし(アプリや画面に番号を表示) | プラスチックなどのカードが届く |
| 主な使い場所 | ネットショッピング、サブスク、アプリ内課金 | 店頭とネットの両方 |
| 発行までの早さ | 即時から短時間で使えるサービスもある(発行元による) | 郵送のため数日から数週間かかることが多い |
| 紛失・盗難 | 置き忘れや落とす心配がない | カード本体の紛失や盗難がある |
| 番号の漏えい | ネット上で番号が盗まれるおそれは実物と同じ | ネット上の番号盗用も、スキミングなどもある |
決済に使う情報は実物のカードと同じ
バーチャルカードの決済には、通常のカードと同じようにカード番号、有効期限、セキュリティコードが使われます。 加盟店側から見ると、通常のカード決済として処理されるのが一般的です。 そのため、国際ブランド(VisaやMastercardなど)が付いたバーチャルカードであれば、そのブランドに対応したネットショップで使えます。 一方で、実物の提示や暗証番号の入力、ICチップの読み取りが必要な場面(店頭の端末、ガソリンスタンドの給油機など)では使えないことがあります。発行元によって「バーチャルカード」の中身が少し違う
「バーチャルカード」という言葉に、法律上の決まった定義があるわけではありません。 実物カードの付属サービスとして番号だけ別に発行できるもの、最初から券面なしで発行されるもの、1回限り有効な番号を作れるものなど、発行元によって呼び方も機能も異なります。 申し込む前に、公式サイトで「実物カードは発行されるか」「何回でも使えるか、1回限りか」を確認しておくと、思っていたものと違うという行き違いを防げます。バーチャルカードのタイプは3つ(クレジット型・プリペイド型・デビット型)
バーチャルカードは、お金を払うタイミングと資金の出どころで大きく3タイプに分けられます。 見た目はどれも同じ「番号だけのカード」なので、ここを取り違えると「請求が翌月に来た」「残高が足りず決済できなかった」といった行き違いが起きます。| タイプ | 支払いのタイミング | 資金の出どころ | 向いている人 | 注意したい点 |
|---|---|---|---|---|
| クレジット型 | 後払い(締め日・支払日に引き落とし) | カード会社の与信(審査あり) | ネット利用が多く、分割やポイントも使いたい人 | 使いすぎると請求が膨らむ。審査がある |
| プリペイド型 | 先払い(チャージした範囲で使う) | 事前に入れた残高 | 使う金額を決めておきたい人 | 残高以上は使えない。サービス終了時の扱いを確認する |
| デビット型 | 使った時点で口座から即時引き落とし | 紐づけた銀行口座の預金 | 後払いが不安で、口座残高の範囲で使いたい人 | 口座残高が足りないと決済できない。利用条件は発行元で異なる |

クレジット型は「後払い」であることを忘れない
クレジット型は、使った時点では手元のお金が減らないため、金額の感覚がつかみにくくなります。 利用額の通知を受け取る設定や、アプリで利用履歴をこまめに確認する習慣がないと、請求額を見て驚くことがあります。 デビットカードとクレジットカードを比べた記事は次のとおりです。
プリペイド型は残高が口座とは別に管理される
プリペイド型は、チャージした金額の範囲で使うため、使いすぎを防ぎやすい一方で、残高が足りないと決済できません。 サブスクの引き落とし日に残高が足りずに停止した、という行き違いが起こりうるので、定期払いに使うなら自動チャージの条件を確認してください。 また、金融庁によると、商品券、ギフト券、プリペイドカード、サーバ型前払式支払手段は「前払式支払手段」と総称され、資金決済法の対象です。 発行者が利用を終了する場合は、資金決済法第20条第1項により払戻手続が行われますが、申出期間内に申し出ないとこの手続きによる払戻しは受けられません。 つまり、チャージ残高を使い切らないまま放置しない、発行元からの終了のお知らせを見逃さない、という管理が必要です。デビット型は即時引き落とし。口座の残高が前提
デビット型は、使った金額がその場で口座から引き落とされます。 銀行口座の残高がそのまま使える金額の上限になるため、クレジット型よりも使いすぎにはなりにくい反面、口座の残高が足りない月には使えません。 年齢や口座の条件など、利用できる人の範囲は発行元によって異なります。
スグレタブログ編集部バーチャルカードのメリット
バーチャルカードのメリットは、主に次のとおりです。- カード本体を落としたり盗まれたりしない:券面がないため、置き忘れや財布ごとの紛失で実物のカードを悪用される心配が減る
- すぐに使い始められる場合がある:発行元によっては、申込後すぐにアプリで番号が確認でき、郵送を待たずにネット決済に使える
- 用途ごとに番号を分けられる場合がある:サブスク用・ネット通販用などで別々の番号を持てるサービスもある
- 使い道を絞って管理しやすい:アプリで履歴を開けば、いつ何に使ったかをすぐ振り返れる
- プリペイド型・デビット型は使いすぎを抑えやすい:残高や口座の範囲でしか使えない
バーチャルカードの注意点とデメリット
便利な反面、次のような弱点があります。- 店頭で使えないことがある:実物の提示やICチップ・暗証番号が必要な場面では対応できない場合がある(スマホ決済に登録して使える場合もあるが、発行元による)
- ホテルやレンタカー、ガソリンスタンドなどで断られることがある:予約時に実物のカードの提示を求められるケースがある
- ネット上の番号盗用は防げない:フィッシング詐欺や不正ログインで番号を盗まれれば、実物のカードと同じように悪用されるおそれがある
- スマホに依存する:端末の紛失、機種変更、アプリの不具合で番号を確認できなくなることがある
- サービス終了や条件変更の影響を受ける:プリペイド型は特に、残高の扱いが発行元の運営状況に左右される
- ホテルやレンタカーの予約で、実物のカードを求められないか
- 公共料金や携帯電話料金など、支払い方法に制限があるサービスで使えるか
- 海外のサイトで使う場合、国際ブランドが対応しているか
- 定期購入やサブスクで、残高不足のときに利用停止にならないか
バーチャルカードは安全?不正利用の数字から考える
バーチャルカードの安全性を考えるときは、「実物がない」という点だけでなく、実際にどんな不正利用が起きているかを見る必要があります。 日本クレジット協会によると、2024年のクレジットカード不正利用被害額は過去最多の555.0億円で、そのうち92.5%がインターネット取引における「番号盗用」でした。 2025年の被害額は510.5億円で、前年より減りました。ただし同協会は、依然として高い水準が続いているとしています。 さらに、同協会の2026年9月7日の発表では、2026年4月から6月の不正利用被害額は107.7億円で、そのうち番号盗用が100.1億円を占めています(2026年調査分から調査方法が変更されています)。 この数字は、バーチャルカードに限った統計ではなく、クレジットカード全体のものです。 ただ、バーチャルカードはネットで使う場面が中心なので、被害の多くを占める「番号盗用」と使い方が重なります。 券面がないことは、紛失・盗難の対策にはなっても、番号盗用の対策にはなりません。
スグレタブログ編集部日本クレジット協会が示す5つの対策
日本クレジット協会は、利用者ができる不正利用対策として、次の5つを挙げています。- 個人情報を守る:フィッシング詐欺などで、カード番号やIDを入力させる偽サイトに注意する
- 第三者による不正ログインを防ぐ:パスワードを使い回さず、安全なパスワードを設定する
- 本人認証サービス(EMV 3-Dセキュア)を登録・利用する:決済時に本人かどうかを確認する仕組みを使う
- カード利用明細を確認する:利用日・店名・金額・支払方法まで見る
- カードと暗証番号の管理を強化する:暗証番号や管理情報を他人に知られないようにする
本人認証サービス(3-Dセキュア)は登録しておく
日本クレジット協会の説明では、本人認証サービス(EMV 3-Dセキュア)は、ネットショッピングなどの決済時に、その決済が本人によるものかを判定して不正利用を防ぐサービスです。 1度限り有効なワンタイムパスワード(OTP)が使われるため、毎回同じ文字列を入力する静的パスワードより安全性が高いとされています。 利用するには、カード会社のサイトやアプリで事前に登録が必要です。 インターネットサービスによっては、本人認証サービスに登録していないカードは使えない場合があります。 また、同協会によると、カード利用のたびに必ずワンタイムパスワードが必要になるわけではありません。 バーチャルカードを作ったら、最初に本人認証の登録状況を確認しておくと安心です。利用明細は電子明細でもこまめに見る
日本クレジット協会は、不正利用の被害を最小限にするには、できるだけ早く被害に気付くことが大切だとしています。 書面(ハガキ・封書)の明細なら到着次第、電子明細(Webやアプリ)ならカードを使っていなくてもこまめに確認するよう案内しています。 見るのは請求金額だけでなく、利用日・利用店名・金額・支払方法まで。 身に覚えのない請求や、お客様控えと金額が違う請求があった場合は、速やかに契約しているカード会社に連絡します。 あわせて、カード会社の「利用通知サービス」を使ったり、「利用確認連絡」に対応したりすることも、早期発見に役立ちます。 バーチャルカードはアプリ上で利用履歴が確認できるため、この習慣をつけやすいのが利点です。バーチャルカードの選び方と確認したい項目
バーチャルカードは、発行元によって機能も条件も異なります。 申込む前に、次の項目を公式サイトで確認しておくと、使い始めてからの行き違いを減らせます。| 確認項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 支払いのタイプ | クレジット(後払い)・プリペイド(先払い)・デビット(即時引き落とし)のどれか |
| 国際ブランド | 使いたいショップが対応しているブランドか |
| 実物カードの有無 | 券面なしだけか、実物カードも発行できるか。店頭で使いたいなら重要 |
| 利用上限・使い捨て番号 | 上限設定や番号の再発行ができるか |
| 本人認証(3-Dセキュア) | 登録に対応しているか、登録方法は何か |
| 手数料・年会費 | 発行手数料、年会費、チャージ手数料、後払いの手数料など。条件は発行元ごとに異なる |
| 利用通知 | 利用のたびにスマホへ通知が届くか |
| サービス終了時の扱い | プリペイドの場合、残高の払戻しがどうなるか |
こんな人は、このタイプが合いやすい
使い方によって、合うタイプは変わります。- ネットの利用が多く、ポイントや分割払いも使いたい人:クレジット型が候補になる。後払いなので、利用額の通知と明細の確認は欠かせない
- 使う金額を決めておきたい人、使いすぎが心配な人:プリペイド型・デビット型が候補になる
- 口座にある範囲で使いたい人:デビット型が合う。残高が足りない月に使えないことは頭に入れておく
- サブスクを整理したい人:用途別に番号を分けられるサービスや、利用上限を設定できるサービスが便利
- ホテルや店頭でも使いたい人:実物カードが発行されるタイプか、スマホ決済に登録できるかを確認する
バーチャルカードの使い始め方(基本の流れ)
発行元によって細かい手順は違いますが、一般的には次の流れで使い始めます。- 公式サイトで条件を確認する:支払いタイプ、年齢条件、手数料、上限額を見る。偽サイトに注意し、公式アプリや公式サイトから申し込む
- 申込・本人確認をする:氏名・住所・生年月日などを入力し、本人確認書類の提出やオンライン本人確認を行う場合がある
- カード情報を確認する:アプリや会員ページで、カード番号・有効期限・セキュリティコードを確認する
- 本人認証サービス(3-Dセキュア)を登録する:登録しないとネットショップで使えないことがある
- 利用通知や上限を設定する:機能がある場合は、最初に設定する
- 少額から使う:まず小さな金額の決済で、通知や明細の表示を確認する
バーチャルカードでよくある失敗と防ぎ方
使い始めてから起きやすい行き違いを、原因と対処に分けて整理します。| 起きること | 主な原因 | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| ネットショップで決済エラーになる | 本人認証サービスを登録していない、ブランドや種類に非対応のショップ | 3-Dセキュアを登録し、ショップの対応ブランドを確認する |
| サブスクが突然止まる | プリペイド型・デビット型で残高や口座残高が足りなかった | 定期払いは自動チャージを設定するか、クレジット型を使う |
| ホテルやレンタカーで断られる | 実物カードの提示やICチップ読み取りを求められた | 予約前に利用可否を確認し、別の支払い手段も用意する |
| 番号を確認できなくなる | スマホの機種変更や、ログイン情報の紛失 | 機種変更前に引き継ぎ方法を調べ、ログイン情報を安全に管理する |
| 身に覚えのない請求が来る | フィッシングや不正ログインによる番号盗用 | パスワードを使い回さず、利用通知をオンにし、明細を毎月見る |
バーチャルカードの活用シーン
バーチャルカードは、次のような場面で使われています。ネットショッピング
最も多いのがネットショッピングです。 実物カードの番号と分けて持てるサービスなら、あまり使わないショップ用の番号を別にしておく、といった使い方ができます。サブスクや定期払い
動画、音楽、アプリなどの月額サービスは、解約し忘れて支払いが続くことがあります。 利用上限を設定できるバーチャルカードや、プリペイド型で残高を絞って入れておく方法なら、想定以上の引き落としを抑えられます。 ただし、残高不足でサービスが停止してしまうこともあるため、重要なサービスの支払いには向かない場合があります。アプリ内課金やゲーム
アプリ内課金に使う場合は、使いすぎを防ぐため、プリペイド型やデビット型で上限を決めておく人もいます。 未成年のお子さんがいる家庭では、保護者の管理下で使えるか、年齢条件に合うかを必ず確認してください。海外サイトでの買い物
海外のネットショップで使うときは、国際ブランドが対応していること、為替手数料やチャージの条件を確認します。 海外サイトは偽サイトも多いため、運営会社の情報が確認できないサイトでは番号を入力しないようにしてください。 クレジットカードを複数持つときの使い分けや管理のコツは、次の記事でまとめています。
不正利用に気付いたときの連絡先と順番
身に覚えのない請求や利用通知があった場合は、次の順番で動きます。- 発行元(カード会社・サービス)に連絡する:利用停止や再発行の手続きを依頼する。日本クレジット協会も、速やかにカード会社へ連絡するよう案内している
- アプリやサイトのパスワードを変える:同じパスワードを使い回しているサービスもすべて変更する
- 利用明細を保存する:不審な利用日・店名・金額を、画面の保存などで記録しておく
- 補償の可否を確認する:補償の条件・期限は発行元ごとに違うため、連絡時に聞く
- 不正利用や請求の問い合わせ:発行元のカード会社・サービスの窓口
- 契約や請求のトラブルの相談:消費者ホットライン188(最寄りの消費生活センター等につながる)
バーチャルカードのよくある質問
バーチャルカードと実物のカードは何が違いますか?
バーチャルカードは券面がなく、アプリや会員ページに表示される番号で決済します。実物のカードは店頭でも使えますが、バーチャルカードは店頭の端末やICチップが必要な場面では使えないことがあります。ネット上の番号が盗まれる危険は、どちらも同じです。
バーチャルカードは審査なしで作れますか?
タイプによって違います。クレジット型は審査があり、プリペイド型は審査が簡単な場合があります。デビット型は口座の条件を満たす必要があります。年齢や本人確認の条件は発行元で異なるため、申込前に公式サイトで確認してください。
バーチャルカードなら不正利用は起きませんか?
起きないとは言えません。日本クレジット協会によると、2024年の不正利用被害額555.0億円のうち92.5%がネット取引の番号盗用でした。券面がなくても、フィッシングや不正ログインで番号を盗まれれば悪用されるおそれがあります。
本人認証サービス(3-Dセキュア)は登録したほうがよいですか?
登録をおすすめします。日本クレジット協会の説明では、決済時に本人かどうかを判定してワンタイムパスワードを使う仕組みです。サイトによっては、未登録のカードが使えない場合もあります。登録はカード会社のサイトやアプリで行います。
プリペイド型のバーチャルカードの残高は、サービスが終わったらどうなりますか?
金融庁によると、プリペイドカードなどの前払式支払手段は、発行者が利用を終了する場合、資金決済法第20条第1項により払戻手続が行われます。ただし、申出期間内に申し出ないとこの手続きによる払戻しは受けられません。詳細は各発行者に確認してください。
身に覚えのない請求があったときは、どこに連絡しますか?
まず、発行元のカード会社・サービスに連絡し、利用停止と再発行を依頼します。その後、パスワードを変更し、利用明細を記録しておきます。対応に納得できないときは、消費者ホットライン188に電話すると最寄りの消費生活センター等につながります。


