カーリースとは?車を借りて月額料金で乗る契約
購入との違いは「所有者がリース会社」であること
カーリースは、リース会社が用意した車を、決まった期間だけ借りて使うサービスです。 国民生活センターの説明によると、車の購入は販売店と消費者の売買契約ですが、カーリースはリース会社と消費者の賃貸借契約になります。 車の所有者はリース会社のままです。 そのため、購入した車のように自由に売ったり、改造したりできるわけではありません。 毎月の支払いは、車を借りている間の使用料にあたります。 支払いが終わっても、契約によっては自分の車にならない点に注意が必要です。個人向けのカーリースは増えている
以前のカーリースは、会社が社用車として使う法人向けがほとんどでした。 国民生活センターの資料では、ライフスタイルの多様化や新車の供給体制の変化などを背景に、一般消費者向けの契約が増えているとされています。 同じ資料に載っている日本自動車リース協会連合会の統計では、リース車の保有台数のうち個人リースは、2021年3月末の437,743台(約11.1%)から、2025年3月末には723,599台(約16.9%)になっています。 4年で約1.65倍に増えた計算です。 利用者が増えるのと並行して、全国の消費生活センターに寄せられる相談も増えています。- リース会社が所有する車を、期間を決めて借りる賃貸借契約
- 税金や点検整備費用などが月額に含まれることが多い(含まれる範囲は契約ごとに異なる)
- 原則として中途解約できず、できる場合も解約料などがかかる
- 走行距離や改造などの利用制限がある契約がほとんど
月額料金の決まり方と、含まれる費用
車両価格から残価を引いた分を分割して払う
国民生活センターによると、リース料は基本的に次の順番で決まります。 最初に、車の価格から、契約が終わるときに想定される車の価値(残価)を差し引きます。 そこに、登録費用などの購入にかかる費用、税金、保険料、カーナビなどのオプション費用、契約期間中の維持に必要な費用(点検整備費用など)、リース会社の手数料を足して総額を出します。 最後に、その総額を契約期間の月数で割って、毎月の支払額にします。 つまり、車の価格そのものを全額払うのではなく、「値下がりする分」と維持費を、期間で分けて払う仕組みです。計算の目安(仮の数字で確認)
次の数字は、仕組みを確かめるための仮の例です。実際の月額料金は、車種、契約期間、リース会社、含まれる費用によって変わります。| 項目 | 仮の金額 | 内容 |
|---|---|---|
| 車両価格 | 200万円 | オプション込みの価格とする |
| 契約満了時の残価 | 50万円 | この分は総額から引かれる |
| 税金・保険料・登録費用・手数料など | 30万円 | 契約期間中にかかる費用の合計とする |
| 総額 | 180万円 | 200万円 − 50万円 + 30万円 |
| 契約期間 | 5年(60回) | 月数で割る |
| 月額料金 | 3万円 | 180万円 ÷ 60回 |
含まれる費用は契約によって違う
国民生活センターの資料には、含まれる費用は契約内容により異なると注記されています。 個人向けでは、税金や保険料に加えて、法定点検などの保守管理費用も含む「メンテナンスリース」が主流とされています。 一方で、保守管理費用を除いて毎月の支払いを抑える方式もあります。 また、ボーナス月に支払いを増やす契約もあります。 広告の「月額◯円」が、ボーナス加算やメンテナンス費用を含んだ金額なのか、見積書で確かめましょう。| 確認する項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 税金 | 自動車税などが月額に含まれるか |
| 保険料 | どの保険が月額に含まれ、どの保険が別契約か |
| 点検・整備 | メンテナンス込みか、含まれない方式か |
| ボーナス払い | ボーナス月の加算があるか |
| オプション | カーナビなどの費用が月額に入っているか |
カーリースのメリット
毎月の支払いをほぼ一定にできる
国民生活センターは、メリットとして、車検にかかる費用など突発的に大きな支出がなく、毎月の支払額がほぼ一定であることを挙げています。 購入では、車の代金のほかに税金や点検整備の費用が、時期をずらして出ていきます。 カーリースは、これらが月額に含まれていれば、家計の管理がしやすくなります。手続きの手間を減らせる
リース会社は、契約期間中に必要な手続きや整備を継続して行うことを前提にリース料を決めています。 メンテナンスリースであれば、点検の手配などを任せられるため、車に詳しくない人でも使いやすくなります。車の好みや暮らしに合わせて選びやすい
国民生活センターは、毎月ほぼ一定の料金で車を使えるため、車の好みやライフスタイルに合わせて利用できるとしています。 数年ごとに車を替えたい人や、購入のためのまとまった資金を用意したくない人には、検討しやすい選択肢です。- 購入時にかかる車の代金などをまとめて払わずに始められる
- 税金や整備費用が月額に含まれていれば、支出の見通しが立てやすい
- 点検や手続きの手間が減る
- 契約期間ごとに乗る車を見直しやすい
カーリースのデメリットと注意点
原則として中途解約できない
リース会社は、消費者が希望する車を用意し、契約期間中の手続きや整備を続けることを前提にリース料を決めています。 そのため、原則として中途解約はできません。 国民生活センターは、中途解約できる場合でも、通常は解約金や違約金が生じるとしています。 「車のサブスク」と呼ばれることもありますが、いつでもやめられるサービスではない点が、一番の違いです。- 約1年前に契約し、毎月の支払いが高いため安い車に替えたいと解約を申し出たところ、約50万円の解約料を請求された(2025年1月受付、60歳代)
- 軽自動車を月2万円・4年で契約した約半年後、入院して運転できなくなり、解約料として約120万円を請求された(2026年6月公表の見守り新鮮情報、60歳代)
走行距離や改造などの制限がある
カーリースでは、契約が終わるときの車の価値(残価)が料金を決める大きな要素です。 想定した残価が大きくズレないよう、リース会社は走行距離や改造などに制限をかける場合がほとんどだと、国民生活センターは説明しています。 長距離の通勤や、仕事で走行距離が伸びる人は、距離の上限と、超えたときの精算方法を先に確かめておきましょう。 自分の年間走行距離は、次のように大まかに見積もれます(数字は仮の例です)。| 用途 | 計算の例 | 年間の目安 |
|---|---|---|
| 通勤 | 片道15km × 往復 × 年240日 | 7,200km |
| 週末の買い物 | 1回20km × 週1回 × 52週 | 1,040km |
| 年2回の帰省 | 往復300km × 2回 | 600km |
| 合計 | 8,840km |
満了時の扱いは契約で決まる
満了後の車は、リース会社に返却する、残価や自動車税の未精算分などを払って所有権を移す(買い取り)、再リースで乗り続ける、のいずれかになります。 どれが選べるかは契約内容次第です。| 選択肢 | 内容 | 確認すること |
|---|---|---|
| リース会社に返却する | 車を返して契約を終える | 残価の精算、原状回復の要否 |
| 買い取る | 残価や自動車税の未精算分などを払って所有権を移す | 買い取りの可否と金額 |
| 再リースする | 同じ車に乗り続ける | 再リース料の金額と期間 |
「自分のものになる」という説明とのずれ
国民生活センターが紹介している事例には、契約時の説明と実際の契約が食い違っていたものがあります。- 7年契約で、満了時に自分のものになると口頭で説明されたが、残価を払わないと受け取れなかった(月約4万円、支払総額300万円以上)
- 「9年経過したら残債がなくなり車はあなたのもの」と言われて11年契約を結んだが、実際は所有権が移らず、乗り続けるにはリース料が必要だった
- 「ローンと同じ」と説明されて契約したが、総額約300万円・6年間のカーリースで、走行距離制限があり、満了時に約45万円の残価を払う契約だった
スグレタブログ編集部
スグレタブログ編集部相談事例を金額で読み直す
国民生活センターの事例を、公表されている数字だけで計算し直すと、解約料の重さが分かります。| 事例 | 公表されている数字 | 計算で分かること |
|---|---|---|
| 月2万円・4年の軽自動車 | 契約から約半年で解約。解約料は約120万円 | 4年は48回。半年(6回)後の残りは42回で、残りのリース料は2万円 × 42回 = 84万円。請求額はそれを上回る |
| 総額約300万円・6年 | 満了時の残価は約45万円 | 残価は総額の約15%。満了後に車を手元に置くなら、別に約45万円が必要 |
| 月約4万円・7年 | 支払総額は300万円以上 | 7年は84回。4万円 × 84回 = 336万円で、支払総額の目安と合う |
契約書で見る条項
契約書は分量が多く、読み飛ばしやすい書類です。 トラブルになりやすい次の条項は、契約前に付箋を貼るなどして、必ず目を通してください。| 条項 | 見ること |
|---|---|
| 契約期間 | 何年何か月か。満了日はいつか |
| リース料 | 月額、ボーナス月の加算、支払総額 |
| 中途解約 | 解約できる条件、解約料の計算式、免許返納や入院などの事情が考慮されるか |
| 利用制限 | 走行距離の上限、改造の可否、超えたときの扱い |
| 満了時 | 返却、買い取り、再リースのどれが選べるか。残価の精算方法 |
| 原状回復 | 返却時にどの傷や汚れが対象になるか |
購入やローンとの違いを比べる
| 項目 | カーリース | 車の購入 |
|---|---|---|
| 契約の種類 | リース会社との賃貸借契約 | 販売店との売買契約 |
| 車の所有者 | リース会社 | 購入者 |
| 税金・整備費用 | 月額に含まれることが多い | 別に支払う |
| 中途解約 | 原則できない。できても解約料がかかる | 売買契約のため、契約の仕組みが異なる |
| 走行距離・改造 | 制限があることが多い | 購入した車は所有者として扱える |
| 契約満了時 | 返却・買い取り・再リースなど契約による | 支払い終了後も自分の車として乗れる |
カーリースが向いている人・慎重に考えたい人
- 契約期間中は同じ車に乗り続ける見通しがある人
- 年間の走行距離が安定していて、距離制限に収まりそうな人
- 税金や整備費用を月額にまとめて、家計の支出を平らにしたい人
- 改造や売却をするつもりがない人
- 転勤や転居、家族構成の変化で、数年のうちに車が不要になりそうな人
- 仕事や趣味で走行距離が大きく変わる人
- 車を改造したり、傷を気にせず使いたい人
- 満了後も同じ車に長く乗りたい人(買い取りや再リースの条件を先に確認したい)
契約前に確認する手順
国民生活センターは、契約前に次の点を中心に事業者から説明を受け、契約書をしっかり読むよう呼びかけています。- 購入契約なのか、カーリース契約なのかを確認する(希望と違う契約なら、はっきり断る)
- 契約期間と、残価設定の有無を確認する
- 支払総額と支払時期を確認する(ボーナス月の加算も含める)
- 走行距離制限などの利用制限の有無と、超えたときの扱いを確認する
- 中途解約が可能かどうかと、可能な場合の解約料の計算方法と金額を確認する
- 契約満了時の返却方法と、残価の精算方法を確認する
見積書で見るところ
見積書では、月額料金だけでなく、支払総額、契約期間、含まれる費用の範囲を見ます。 複数のリース会社から見積もりを取る場合は、車種、契約期間、走行距離の上限、メンテナンスの有無、ボーナス加算の有無をそろえて比較しないと、月額の差が何によるものか分かりません。 月額が安い見積もりは、メンテナンスが含まれていなかったり、走行距離の上限が低かったりする場合があります。毎月の固定費を見直すなら
カーリースの月額は、数年にわたって続く固定費になります。 契約する前に、ほかの固定費も一度見直しておくと、支払いに余裕を持たせやすくなります。 スマホ代を見直したい場合は、次の記事も参考になります。
自宅の通信費では、回線とプロバイダの違いを知っておくと、契約の見直しがしやすくなります。

固定費を一覧にしたうえで、カーリースの月額をいくらまでにするかを決めておくと、契約内容を比べやすくなります。
トラブルになったときの相談先
契約内容に納得できないときや、解約料などの請求に疑問があるときは、1人で判断せずに公的な窓口に相談します。| 相談先 | 内容 |
|---|---|
| 消費者ホットライン「188」 | 最寄りの市区町村や都道府県の消費生活センター等につながる全国共通の3桁の電話番号 |
| お住まいの自治体の消費生活センター | 契約内容の確認、事業者との交渉についての助言 |
| 自動車公正取引協議会 | 自動車業界の団体。業務本部消費者関連部の電話は03-5511-2111 |
カーリースに関するよくある質問
カーリースは途中で解約できますか?
原則として中途解約はできません。国民生活センターは、解約できる場合でも解約料などが生じるとしています。解約の可否と解約料の計算方法・金額は、契約前に契約書で確認してください。
カーリースの契約が終わったら車は自分のものになりますか?
契約によって異なります。リース会社に返却する、残価などを払って買い取る、再リースで乗り続けるといった扱いがあり、所有権が移らない契約もあります。「自分のものになる」と口頭で聞いた場合も、契約書の記載で確認してください。
月額料金には何が含まれますか?
国民生活センターによると、税金、保険料、点検整備費用などが含まれる契約が多い一方、含まれる費用は契約内容により異なります。保守管理費用を除いて月額を抑える方式や、ボーナス月に加算する契約もあるため、見積書で内訳を確認してください。
走行距離に制限はありますか?
多くの契約で制限があります。契約満了時の残価が大きくズレないよう、リース会社が走行距離や改造などに制約をかける場合がほとんどです。上限の距離と、超えたときの扱いを契約前に確かめましょう。
解約料を請求されて納得できないときはどうすればよいですか?
払い込む前に、消費者ホットライン188へ電話し、近くの消費生活センターの相談を受けてください。契約書、見積書、請求書、販売店とのやり取りを手元に用意しておくと、状況を伝えやすくなります。
契約をその場で急がされたら、どうすればよいですか?
契約内容を十分に確認・理解できていなければ、その場で契約せずに持ち帰って検討してください。国民生活センターも、急かされても十分に検討したうえで契約するよう呼びかけています。


