行政書士はAIでなくなる?仕事内容と合格率、2026年法改正からみる将来性

行政書士はAIでなくなる?仕事内容と合格率、2026年法改正からみる将来性

行政書士は、役所に出す許認可の申請書類や、契約書・遺産分割協議書などの書類を作る国家資格です。

書類作成はAIが得意な分野でもあるため、「行政書士はAIに仕事を取られるのでは」と心配する声もあります。

この記事では、行政書士の仕事と試験の中身を公式の情報で確認したうえで、AIで変わる部分と変わりにくい部分、2026年に施行された行政書士法の改正が将来性にどう関わるかを紹介します。

目次

行政書士とは?主な仕事と試験

書類の作成と、役所への提出手続きの代理

日本行政書士会連合会によると、行政書士は行政書士法にもとづく国家資格者で、他人の依頼を受けて報酬を得て、次のような書類の作成や手続きを行います。

  • 官公署に提出する書類:建設業許可、飲食店の営業許可、在留資格(ビザ)の申請など
  • 権利義務に関する書類:契約書、遺産分割協議書、内容証明郵便など
  • 事実証明に関する書類:議事録、各種の図面など

一方で、相手と争いになっている事件の交渉や、裁判の代理は弁護士の仕事で、行政書士は扱えません。

「法律のことなら何でも相談できる」わけではない点は、依頼する側も知っておきたいところです。

試験は年1回、合格率は1割台

行政書士試験研究センターの案内では、令和8年度の試験は11月8日(日)の午後1時から4時まで、受験手数料は10,400円です。

年齢や学歴、国籍に関係なく、誰でも受験できます。

年度受験者数合格者数合格率
令和7年度50,163人7,292人14.54%
令和6年度47,785人6,165人12.90%
令和5年度46,991人6,571人13.98%

数字は同センターが公表している「試験結果の推移」によるものです。

AIで効率化が進む仕事

決まった書式に沿って情報を埋める作業や、書類の誤字・記入漏れのチェックは、AIやシステムで速くなりやすい部分です。

作業AIやシステムでできること
申請書の下書き聞き取った情報から定型の書式を埋める
書類のチェック記入漏れや数字の食い違いを見つける
情報の検索必要な添付書類や手続きの流れを調べる
電子申請オンラインで役所に申請し、紙の持参を減らす

こうした作業に使っていた時間が減る分、1件あたりの料金だけで勝負する事務所は、価格の競争に巻き込まれやすくなります。

書類仕事をAIに任せる動きは、職人の数が足りない建設の世界でも始まっています。内装工事で、設計の提案や施工計画、材料とコストの管理にAIを使う例をまとめています。

あわせて読みたい
内装工事とは?工事の種類と範囲、A・B・C工事の違い、業者選びと許可の確認 内装工事という言葉は、家の壁紙を張り替える工事にも、飲食店やオフィスの店舗づくりにも使われます。 どちらも「建物の内側をつくる、または仕上げる工事」ですが、住...

AIに任せにくい仕事

要件に当てはまるかの判断と、役所とのやりとり

許認可の申請では、依頼者の事業や経歴がそもそも要件を満たしているかを見極める必要があります。

たとえば在留資格の申請では、同じ書類をそろえても、本人の経歴や勤め先の事情によって結果が変わることがあります。

役所の担当者と事前に相談し、足りない点をどう補うかを考える部分は、人の経験が生きる仕事です。

依頼者の事情を聞き取り、責任を持つこと

遺言や相続の書類では、家族の関係や本人の気持ちを聞き取りながら内容を決めていきます。

また、行政書士には法律で守秘義務が課されていて、作った書類には資格者として責任を負います。

AIで下書きを作れても、最後に責任を持って判断する人がいることが、依頼する側の安心につながります。

スグレタブログ編集部スグレタブログ編集部
入管業務や補助金申請のように、要件が頻繁に変わる分野は人の判断が生きる場面が多いです。どの分野を軸にするかは、行政書士会の研修内容も参考になります。

2026年施行の法改正と行政書士の将来性

2026年1月1日に、改正行政書士法が施行されました。日本行政書士会連合会は、改正の主な内容として次の4点を挙げています。

  1. 行政書士の使命と職責が明確になり、士業の法律で初めて「デジタル社会への対応」の努力義務が定められた
  2. 特定行政書士が扱える範囲が広がった
  3. 行政書士でない人の業務の制限に「いかなる名目によるかを問わず報酬を得て」という言葉が加わった
  4. 違反した場合に、行為者だけでなく法人も罰せられる両罰規定が整えられた
AIの時代に、この改正が意味すること

3と4により、「コンサル料」「会費」「システム利用料」など名目を変えても、行政書士でない人や会社が報酬を得て申請書類を作ることは違法だとはっきりしました。

AIを使ったサービスでも、書類作成の部分を行政書士が担う形が求められます。

また1のとおり、デジタルへの対応は行政書士自身の務めとして法律に書かれました。AIを避けるより、使いこなす側に回ることが前提になっています。

資格を生かした事務の仕事という点では、医療事務も比べる価値があります。レセプト業務の中身と未経験からの始め方を紹介しています。

あわせて読みたい
医療事務の仕事内容とは?レセプト業務の流れと、未経験から目指せる資格 医療事務は、病院やクリニックで受付や会計、診療費の請求を担当する仕事です。 なかでも「レセプト業務」は、医療機関の収入に直結するため、医療事務の中心といえる仕...

よくある質問

行政書士はAIに仕事を奪われますか?

定型の書類の下書きやチェックはAIで速くなりますが、許認可の要件に当てはまるかの判断や役所との調整、依頼者の事情を聞き取って責任を持つ部分は人が担います。2026年施行の法改正で、行政書士でない者が報酬を得て書類を作ることは名目を問わず違法と明確になりました。

行政書士試験は誰でも受けられますか?

受けられます。行政書士試験研究センターの案内では、年齢、学歴、国籍等に関係なく受験でき、令和8年度の受験手数料は10,400円です。

行政書士の試験の合格率はどのくらいですか?

令和7年度は受験者50,163人に対して合格者7,292人で、合格率は14.54%でした。近年は1割台で推移しています。

行政書士に相続の揉め事を相談できますか?

遺産分割協議書など書類の作成は依頼できますが、相続人どうしが争っている場合の交渉や裁判の代理は弁護士の仕事です。揉めているときは弁護士や法テラスに相談しましょう。

まとめ

行政書士は、許認可の申請書類や契約書などを作る国家資格で、令和7年度の試験の合格率は14.54%でした。

定型の書類作成やチェックはAIで速くなりますが、要件の見極めや役所とのやりとり、依頼者の事情を聞き取って責任を持つ部分は人に残ります。

2026年施行の法改正で、無資格者による書類作成の禁止とデジタル対応の務めがはっきりしたため、AIを使いこなす行政書士ほど強みを出しやすくなると考えられます。

試験日程や法改正の詳しい内容は、行政書士試験研究センターと日本行政書士会連合会の公式サイトで確認してください。

  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

近年に役立つ情報からトレンドニーズまで、幅広いジャンルを厳選してピックアップした記事をご紹介しております!お客様が知りたいコンテンツがイッパイあります!

目次