離乳食宅配とは?届くものは2種類ある
離乳食宅配は、離乳食に使える食事や食材を自宅に届けてもらうサービスの総称です。 大きく分けると、次の2つがあります。| 種類 | 届くもの | 親の作業 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| 完成品タイプ(ベビーフード・冷凍ストック) | 調理済みの離乳食。冷凍やレトルトなどで届く | 温める、器に移すだけ | 忙しい日の主食やおかず、外出時、体調が悪い日 |
| 食材キットタイプ | 下ごしらえ済みの食材(ペースト、カット野菜など)や、調味前の素材 | 加熱したり、固さを調整したりして仕上げる | 手作りの形は残したいが、裏ごしや刻みの手間を減らしたい |
離乳食以外のお世話の手間も減らしたいときは、育児グッズの記事も参考になります。

グッズと宅配をうまく組み合わせると、毎日の負担をさらに軽くできます。
国のガイドが示す離乳の進め方
宅配サービスを選ぶ前に、離乳の進み方の基本を押さえておきましょう。 厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」(2019年3月)では、離乳を次のように説明しています。| 時期 | 離乳食の回数 | 固さの目安 | ほかの栄養 |
|---|---|---|---|
| 初期(生後5〜6か月頃) | 1日1回 | なめらかにすりつぶした状態 | 母乳または育児用ミルクを欲しがるまま |
| 中期(生後7〜8か月頃) | 1日2回 | 舌でつぶせる固さ | 母乳は欲しがるまま。ミルクは1日3回程度 |
| 後期(生後9〜11か月頃) | 1日3回 | 歯ぐきでつぶせる固さ | 母乳は欲しがるまま。ミルクは1日2回程度 |
| 完了期(生後12〜18か月頃) | 1日3回+必要に応じて1〜2回の補食 | 形のある食べ物をかみつぶせる | 子どもの様子に応じて母乳・ミルクを与える |
- はちみつは、乳児ボツリヌス症のおそれがあるため、1歳を過ぎるまで与えない
- 牛乳を飲み物として与える場合は、鉄欠乏性貧血の予防の観点から、1歳を過ぎてからが望ましい
- 離乳の開始前に果汁やイオン飲料を与える栄養学的な意義は認められていない
- 調味料は、離乳の開始時期には必要ない。進めるときも薄味にする
離乳食宅配のメリットと注意点
メリットは「作る負担」と「失敗の不安」が減ること
こども家庭庁が掲載するガイドのコラムには、平成27年の乳幼児栄養調査で、離乳食について何かしら困ったことがあると答えた保護者が74.1%いたと書かれています。 困りごとの中で最も多かったのは「作るのが負担、大変」で、33.5%でした。 宅配を使うと、この「作る負担」を直接減らせます。 固さや大きさが月齢に合わせて整えられているため、「この固さで合っているのか」という不安も、見本があることで減らせます。 ガイドも、ベビーフードの利点として、月齢に合わせて粘度や固さ、粒の大きさが調整されていて、手作りするときの見本になる点を挙げています。注意点は「栄養バランス」「食べ慣れ」「在庫」
ガイドは、ベビーフードの課題も3つ挙げています。 多くの食材を使った製品は、それぞれの味や固さを体験しにくいこと。 ベビーフードだけで1食をそろえると、栄養バランスが取りにくい場合があること。 製品によっては、子どもの噛む力に対して固すぎたり、やわらかすぎたりすることがあること。 宅配でも同じことが言えます。 主食中心の商品を選んだときは、野菜やたんぱく質のおかず、果物を足すなど、家庭で組み合わせる意識が必要です。
スグレタブログ編集部| 比較項目 | 手作りのみ | 宅配を併用 | 宅配が中心 |
|---|---|---|---|
| 親の手間 | 大きい(調理・小分け・洗い物) | 減らせる | 最も少ない |
| 食べ物の種類 | 家にある食材が中心 | 増やしやすい | 商品の種類に左右される |
| 費用 | 食材費のみで抑えやすい | 宅配分が上乗せ | 最も高くなりやすい |
| 味や固さの調整 | 自分で調整できる | 一部は調整できる | 商品に合わせる |
| 向いている人 | 時間に余裕がある時期 | 仕事復帰前後や疲れている時期 | どうしても調理の時間が取れない時期 |
失敗しない離乳食宅配の選び方
申し込む前に、次の7つを順番に確認すると失敗が減ります。- 対象月齢と固さの区分:「初期」「中期」などの表記が、ガイドの区分(5〜6か月・7〜8か月・9〜11か月・12〜18か月頃)と合っているかを確かめる
- 原材料とアレルゲン表示:食品表示の欄で、気になる食材が入っていないかを確認する
- 味付けと調味料:食塩や砂糖の量、はちみつの有無、薄味かどうかを見る
- 1食の量と品数:主食・副菜・主菜がそろうのか、主食だけなのかを確認する
- 保存方法と賞味期限:冷凍庫に入る量か、解凍後どれくらい持つかを確認する
- 料金の総額:商品代に加えて送料、クール便代、手数料がいくらかを見る
- 解約・休止の条件:定期購入の縛り(最低回数)、次回発送の何日前までに連絡すれば止められるかを確認する
アレルゲン表示の見方
加工食品には、アレルギーの原因になりやすい食品を表示するルールがあります。 消費者庁のハンドブックによると、えび、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生(ピーナッツ)の8品目は、食品表示基準で表示が義務付けられています。 このほか、通知で表示が推奨されている20品目があります。 推奨品目は義務ではないため、表示がないからといって含まれていないとは言い切れません。 初めての食材を宅配の離乳食で試すときは、まず少量から与えます。 平日の午前中など、受診しやすい時間帯に試すと、変化があったときに動きやすくなります。月齢別の選び方
初期(5〜6か月頃)は「少量・なめらか」を優先
この時期は、食べ物を飲み込むことや、舌ざわり、味に慣れることが目的です。 離乳食は1日1回で、量はごく少量から始めます。 ガイドでは、離乳の開始はおかゆ(米)から始め、新しい食品は離乳食用のスプーンで1さじずつ与えるとされています。 宅配を使うなら、おかゆや野菜のペーストを小分けにした商品が便利です。 一度に食べる量が少ないため、大容量のセットよりも、使い切りやすい小分けタイプのほうが無駄が出にくくなります。中期(7〜8か月頃)は2回食のリズムづくり
離乳食が1日2回になり、舌でつぶせる固さのものを与える時期です。 ガイドでは、2回食に進む頃から、穀類(主食)、野菜(副菜)・果物、たんぱく質性食品(主菜)を組み合わせた食事とするとされています。 完成品の宅配は、この組み合わせを考える負担を減らせます。 食材キットの場合は、主食・副菜・主菜のどれが入っているかを確認し、足りないものを家で補いましょう。後期(9〜11か月頃)は3回食と手づかみ食べ
1日3回食になり、歯ぐきでつぶせる固さのものを与えます。 手づかみ食べは生後9か月頃から始まり、ガイドは1歳過ぎの発育や発達にとって積極的にさせたい行動としています。 手づかみしやすい形の商品があると便利ですが、固さや大きさは必ず確認してください。 食べ物の形や固さで食べにくそうなときは、一段階前に戻して様子を見ましょう。完了期(12〜18か月頃)は幼児食への移行
形のある食べ物をかみつぶせるようになり、エネルギーや栄養素の大部分を母乳・ミルク以外の食べ物から摂れる状態をめざす時期です。 1日3回の食事に加えて、必要に応じて1〜2回の補食を与えます。 この時期になると、離乳食宅配から幼児食や家族の食事の取り分けに切り替える家庭も増えます。 離乳の完了は、母乳やミルクを飲んでいない状態を意味するわけではないと、ガイドは注意しています。費用を見るときの考え方
宅配の離乳食は、1食あたりの値段で比べると違いが分かりやすくなります。 1食あたりの料金は「商品代(セット代)÷食数」で求められ、ここに送料やクール便代を足したものが実際の負担です。 たとえば、仮に商品代が3,000円で10食、送料が600円のセットなら、1食あたりは(3,000円+600円)÷10食で360円です。 この数字は計算のしかたを示す仮の例で、実際の料金ではありません。 同じ商品でも、定期購入にすると割引になる場合や、初回だけ別の料金になる場合があります。 2回目以降の料金がいくらかは、必ず確認してください。| 確認する費用 | チェックのしかた |
|---|---|
| 商品代 | 1回の購入での価格と、定期購入の価格を別々に確認する |
| 送料・クール便代 | 冷凍品は別料金になることがある。何円以上で無料かも確認する |
| 初回と2回目以降の差 | 初回限定価格の場合、2回目以降の価格を必ず確かめる |
| 使わなかった分のコスト | 赤ちゃんが食べなかったときの在庫と冷凍庫のスペースを考える |
| 手作りとの比較 | 食材費だけでなく、調理や洗い物にかかる時間も含めて考える |
家族の食事づくりも負担になっているときは、大人向けの食事宅配も選択肢になります。

離乳食と大人の食事、どちらに手間がかかっているかを見直すと、頼る場所が決まりやすくなります。
定期購入で気をつけたいトラブルと相談先
離乳食宅配の多くは、定期的に届く形式です。 通販のルールを、消費者庁の特定商取引法ガイドで確認します。 通信販売にはクーリング・オフの制度がありません。 広告に返品についての特段の記載がない場合は、商品を受け取った日から8日間は、契約の申込みの撤回や解除ができますが、その場合の返送費用は消費者が負担します。 広告に「返品不可」などの特約が書かれているときは、原則としてその特約が優先されます。 令和4年6月1日からは、インターネット通販の最終確認画面で、取引の基本的な事項を明確に表示することが事業者に義務付けられました。 誤認させる表示で申し込んだ消費者は、契約を取り消せる可能性もあります。- 注文を確定する前の最終確認画面で、定期購入かどうか、総額、回数の縛り、解約の条件を読む
- 解約や休止の連絡方法(電話・マイページ・メール)と、受付時間・期限を控えておく
- 「お試し」「初回限定」の文字だけで決めず、2回目以降の料金を確認する
- 商品が届いたら、原材料表示と賞味期限、冷凍品の状態を確認する
スグレタブログ編集部申し込みから使い始めるまでの流れ
離乳食宅配は、申し込んですぐ届くとは限りません。 初回の発送日や、受け取れる曜日と時間帯を、先に確認しておくと安心です。- 商品ページで対象月齢、原材料、1食の量を確認する
- お試しセットや単品購入があれば、まずそれを選ぶ
- 最終確認画面で、定期購入か単発か、総額、解約条件を確認する
- 届いたら、原材料表示と賞味期限、冷凍品なら凍った状態かを確認する
- 初めての食材は1さじから与え、赤ちゃんの様子を見る
- 食べ方に合わないと感じたら、次回の発送前に固さの区分や頻度を変える
宅配の使い分けの例(1週間の組み立て方)
宅配を毎食使うのではなく、「手作りがつらい場面」だけに当てる方法もあります。 次の表は、使い方のイメージを示した例です。実際の頻度は、赤ちゃんの食べ方と家庭の事情に合わせて決めてください。| 場面 | おすすめの使い方 | 理由 |
|---|---|---|
| 平日の夕方(仕事や家事で時間がない) | 完成品を1食分温めて与える | 調理の時間を省ける |
| 休日の昼 | 家族の食事から、調味前のものを取り分けて薄味に仕上げる | 食べ物の種類が広がり、費用も抑えられる |
| 外出・旅行 | 常温保存できるレトルトや瓶詰を持参する | 持ち運びやすく、温度管理の手間が少ない |
| 体調が悪い日・親が疲れている日 | 食べ慣れた完成品に頼る | 無理に作らず、食事のリズムを保てる |
| 新しい食材を試す日 | 宅配の単品か、自分で1さじずつ用意する | 原因が分かりやすい |
安全に使うための基本と使い方のコツ
温め方と与える前の確認
ガイドが挙げるベビーフードの留意点は、宅配の商品にもそのまま当てはまります。 与える前に、まず親が一口食べて味や固さを確かめます。 温めて与えるときは、熱すぎないように温度を確認します。 赤ちゃんの食べ方を見て、固さが合っているかを確かめることも大切です。食べ残しは与えない
ガイドは、衛生面の観点から、食べ残しや作りおきは与えないとしています。 開封後にすぐ与えないときは、別の器に移して冷凍または冷蔵で保存できるとされていますが、食品表示をよく読んで、商品ごとの使い方に従ってください。 一度赤ちゃんの口に入れたスプーンで直接すくうと、残りを保存できなくなります。 先に小分けの器に取り分けてから与えると、残りを保存しやすくなります。手作りと組み合わせる
宅配を使う日と、手作りする日を分けると、無理なく続けられます。 たとえば、平日は完成品を使い、休日は家族の食事から調味する前のものを取り分けて、薄味のものを作る、といった形です。 ガイドも、家族の食事から調味する前のものを取り分けたり、薄味のものを取り入れたりして、食品の種類や調理方法を多様にするよう勧めています。 宅配の食材の大きさや固さ、とろみは、手作りするときの見本にもなります。- 冷凍庫の空きスペースを確認した
- 赤ちゃんの月齢と、食べ方の様子を確認した
- アレルギーが気になる食材を決めて、原材料表示を見る準備をした
- 少量のお試しセットがあるか確認した
- 解約の条件と次回の発送日を確認した
離乳食宅配でよくある悩み
食べてくれないときは?
宅配の離乳食だから食べない、とは限りません。 赤ちゃんには、日によって食欲の差があります。 ガイドは、子どもの食欲や食べ方には個性があり、画一的な進め方にならないよう気をつけること、無理をさせないことを大切にしています。 食べないときは、固さが合っているか、量が多すぎないか、空腹の時間帯か、といった点を見直してみてください。 何日も続けて食べない、体重が増えないなどの心配があるときは、乳幼児健診や小児科で相談しましょう。仕事復帰が近いときは?
仕事に復帰すると、夕方の調理時間が取りにくくなります。 平日の夜の1食だけ宅配に頼る、冷凍ストックを週末に作り置きする、といった形から始めるのが現実的です。 保育園に預ける場合は、園の離乳食の進み具合や、アレルギーの対応方針も園に確認しておくとよいでしょう。外出や旅行のときは?
ガイドは、ベビーフードを使うのによい場面として、外出や旅行のとき、時間のないとき、メニューを一品増やしたいときなどを挙げています。 常温保存できるレトルトや瓶詰は、持ち運びに向きます。 宅配の冷凍品は、持ち運びや解凍に気を配る必要があるため、外出用には常温保存の商品を別に用意するのも1つの方法です。よくある質問
離乳食宅配は生後何か月から使えますか?
厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」では、離乳の開始は生後5〜6か月頃が適当とされています。宅配サービスも初期(5〜6か月頃)から対応する商品が多いものの、対象月齢はサービスごとに違います。申し込む前に、商品ページで対象の月齢と固さを確認してください。
離乳食宅配だけで済ませても問題ありませんか?
ガイドは「離乳食は手作りが好ましい」としたうえで、ベビーフード等を上手に使って保護者の負担が軽くなるなら一つの方法としています。ただし、そればかりに頼ると食べ物の味や固さを体験しにくい点や、1食をそろえると栄養バランスが取りにくい場合がある点も課題として挙げています。手作りと併用し、家族の食事から取り分けた一品を足す使い方が現実的です。
アレルギーが心配な場合はどうすればよいですか?
離乳の開始や特定の食品の開始を遅らせても、アレルギーの予防効果があるという科学的根拠はないとガイドに書かれています。一方、アレルギーが疑われる症状が出たときは、自己判断で進めず医師の診断に基づいて対応する必要があります。宅配サービスを使うときは、原材料表示のアレルゲン欄を毎回確認し、初めての食材は少量から試してください。
定期購入を途中でやめたいときはどうなりますか?
通信販売にはクーリング・オフ制度がありません。広告に返品や解約の条件が書かれていればその条件が優先されるため、申込み前に解約の期限と方法、次回発送の何日前までに連絡が必要かを確認しておくことが大切です。解約の連絡がうまくいかないときは、消費者ホットライン188に電話して、最寄りの消費生活センターを案内してもらえます。
はちみつ入りの商品を与えてもよいですか?
はちみつは乳児ボツリヌス症を引き起こすおそれがあるため、1歳を過ぎるまでは与えないとガイドに書かれています。宅配の離乳食でも、原材料にはちみつが入っていないかを確認してください。
夜間に赤ちゃんの体調で迷ったときの相談先はありますか?
休日・夜間の子どもの症状で迷ったときは、全国共通の短縮番号#8000に電話すると、小児科医師や看護師に相談できます。実施時間帯は都道府県によって異なるため、厚生労働省のページで住んでいる地域の時間を確認しておくと安心です。顔色が悪い、呼吸が苦しそうなどのときは、迷わず119番に連絡してください。


