スグレタブログ編集部退職代行とは?できることとできないこと
退職代行とは、本人に代わって会社へ退職の意思を伝えるサービスです。 東京弁護士会は、一般的な退職代行サービスを「業者にお金を払うことで、業者が本人に代わって、退職の意思を会社へ伝えるサービス」と説明しています。 依頼すると、会社への連絡は業者が担当します。 本人が上司に電話したり、直接会って話したりする必要はありません。 一方で、退職代行ができることは運営元によって変わります。 まずは、どの運営元でも頼める内容と、運営元によっては頼めない内容を分けて整理します。どの運営元でも頼みやすい内容
どの運営元でも頼みやすいのは、次のような「連絡と手続きの窓口」としての役割です。- 会社に退職の意思を伝える
- 本人や家族への直接連絡を控えるよう会社に伝える
- 退職届、健康保険証、貸与品などの郵送でのやり取りを案内する
- 離職票や源泉徴収票などの発行を会社に求める連絡を取り次ぐ(運営元によって範囲が異なります)
運営元によっては頼めない内容
東京弁護士会は、残業代、パワハラの慰謝料、退職金、残っている有給休暇の取得などを「法律的な問題」としています。 弁護士や弁護士法人ではない者が、これらについて本人に代わって会社と話し合うと、非弁行為になる可能性があります。 つまり、民間企業の退職代行に「残業代も一緒に請求してほしい」と頼むのは、そもそも頼み先を間違えている可能性があります。 退職の連絡だけで終わらせたいのか、お金や条件の話も会社とする必要があるのかを先に決めておくと、運営元の選び方がはっきりします。退職代行の3つの運営元を比較
退職代行の運営元は、大きく民間企業、労働組合、弁護士(法律事務所)の3つに分かれます。 下の表は、東京弁護士会の説明や労働組合法・弁護士法の条文をもとに、できることの違いを整理したものです。 料金は公的機関が相場を公表していないため、ここには載せていません。| 項目 | 民間企業 | 労働組合(ユニオン) | 弁護士・法律事務所 |
|---|---|---|---|
| 退職の意思を会社に伝える | できる | できる | できる |
| 有給休暇の取得や退職日の調整 | 本人に代わっての交渉はできない(伝言にとどまる) | 団体交渉として行える | 代理人として行える |
| 未払い残業代・退職金の請求 | できない(非弁行為の可能性) | 組合として交渉できるが、東京弁護士会は組合の行為が非弁行為にならないとは限らないとしている | 交渉から労働審判・訴訟まで対応できる |
| 慰謝料・損害賠償の請求や、会社から請求された場合の対応 | できない | 交渉の範囲に限られる | 代理人として対応できる |
| 法的根拠 | 弁護士法72条の範囲内(使者としての伝達) | 労働組合法6条(組合は使用者と交渉する権限を持つ) | 弁護士法(弁護士は法律事務を扱える) |
| 向いている状況 | 辞めるだけで、お金や条件の争いがない | 有給消化や退職日の調整をしたい | 残業代・慰謝料・損害賠償請求など争いになりそう |
民間企業が運営する退職代行
民間企業の退職代行は、会社に退職の意思を伝える「使者」としての役割が中心です。 使者とは、本人が決めた意思をそのまま相手に伝える人のことです。 本人の意思を伝えるだけなら、弁護士資格がなくても行えます。 一方、会社が「有給は認めない」「退職日は来月末にしてほしい」と返してきたときに、民間企業が本人の代わりに「それは認められません」と交渉すると、東京弁護士会が示す非弁行為の問題が出てきます。 そのため、民間企業を選ぶのは、辞める意思を伝えるだけで会社と条件の争いが起きにくいケースに限るのが安全です。 会社から条件の話を持ち出されたとき、民間企業では本人が会社と直接やり取りする場面が残る点も確認しておきましょう。労働組合が運営する退職代行
労働組合は、労働組合法6条により、組合員のために使用者と交渉する権限を持っています。 そのため、有給休暇の消化や退職日の調整といった条件面を、団体交渉として会社と話し合えるのが強みです。 ただし、労働組合に依頼するには、通常はその組合に加入する手続きが必要です。 労働組合法2条は、労働組合を「労働者が主体となつて自主的に労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的として組織する団体」と定めています。 名前だけ労働組合を名乗っていて実態がない場合は、この定義に当てはまるのか疑問が残ります。 東京弁護士会も、業者が代金を受け取って交渉を提携先の労働組合に引き継ぐ形は、法律的な問題の処理を他者に斡旋する非弁行為にあたるとしています。 さらに、労働組合が交渉する場合でも、必ず非弁行為にならないとは限らないと説明しています。 労働組合型を選ぶときは、運営主体が労働組合そのものなのか、民間企業が窓口になって組合に回す形なのかを、契約前に確認してください。弁護士・法律事務所が運営する退職代行
弁護士は、本人の代理人として会社と交渉し、必要なら労働審判や訴訟まで対応できます。 未払い残業代の請求、パワハラの慰謝料、会社から損害賠償を求められている場合など、法律的な争いになりそうなときは弁護士が選択肢の中心になります。 東京弁護士会は、残業代の計算は意外と難しく、業者が交渉して支払われたとしても本来より少ない金額になるおそれがあると指摘しています。 金額の面でも、争いがある場合は弁護士のほうが安心です。 一方で、弁護士に依頼する場合の費用は、事務所や依頼内容によって幅があります。 見積もりの段階で、退職の連絡だけの費用と、請求や交渉を含めた費用がどう分かれているかを確認しましょう。非弁行為とは?退職代行で起きるリスク
非弁行為とは、弁護士や弁護士法人でない者が、報酬を得る目的で法律事務を取り扱うことです。 弁護士法72条は、弁護士または弁護士法人でない者が、報酬を得る目的で一般の法律事件について、代理、和解その他の法律事務を取り扱い、またはその周旋を業とすることを禁止しています。 違法と評価される業者に依頼してしまうと、会社との話し合いが途中で止まったり、正しい法律的な保護を受けられなかったりするおそれがあります。 東京弁護士会も、非弁行為の問題だけでなく、法律的な問題について正しい保護を受けられない場合があると注意しています。
スグレタブログ編集部東京弁護士会が示した2つの事例
東京弁護士会は、退職代行と非弁行為について、次の2つの事例を挙げています。 1つ目は、本人が「会社を辞めたい」「未払いの残業代を請求したい」と希望したケースです。 業者が会社に連絡したところ、会社は「もう辞めるのだから残業代は払わない」と主張しました。 業者が「それは法律に違反する」「計算したところ◯円になる」と説明し、話し合いの結果、残業代が支払われることになりました。 東京弁護士会は、残業代の有無や金額の算定は法律的な問題であり、業者が本人に代わって話し合った行為は非弁行為だとしています。 2つ目は、本人が「契約期間の途中で辞めたい」「パワハラの慰謝料を請求したい」と希望したケースです。 業者は、話し合いになったら提携先の労働組合が行うとして、本人から代金を受け取って依頼を受けました。 実際に労働組合が会社と話し合い、会社がパワハラを認めて慰謝料が支払われることになりました。 この場合も、東京弁護士会は、お金を受け取って法律的な問題の処理を他者に斡旋したことが非弁行為にあたると説明しています。2025年10月の強制捜査と、利用者が確認したいこと
東京弁護士会は、2025年10月22日に、退職代行運営会社や法律事務所などに弁護士法違反の疑いで強制捜査が行われたことを受けて、あらためて注意喚起を出しました。 捜査の結果は、本記事の確認時点では示されていません。 そのため、特定の事業者について「違法」「安全」とここで断定することはできません。 利用者として確認できるのは、次の3点です。- 運営しているのは誰か(企業名、労働組合名、弁護士・法律事務所名)
- 弁護士や労働組合が出てくる場合、依頼者との契約主体はどこか(窓口の業者か、弁護士・組合か)
- 残業代や有給など、法律的な問題が出たときに誰が会社と話すのか
退職代行を使わなくても辞められる?法律のルール
退職代行を使うかどうかを決める前に、法律上、退職はどう決まっているかを知っておくと判断しやすくなります。 正社員のように期間を決めていない雇用は、申入れの14日後に終わるのが民法の定めです。期間の定めのない雇用は2週間で終了する
民法627条1項は、雇用の期間を定めなかったときは、各当事者がいつでも解約の申入れをでき、雇用は申入れの日から2週間を経過することで終了すると定めています。 つまり、会社の承諾がなくても、退職の意思を伝えてから2週間が過ぎれば退職が成立するのが原則です。 たとえば、10月21日に退職を申し入れたとします。 その日から2週間を経過する11月4日が、退職の効力が生じる目安です。 会社が「後任が決まるまで認めない」と言っても、法律上の原則は変わりません。 ただし、就業規則には「退職は1か月前に申し出ること」といった定めを置いている会社もあります。 就業規則の定めと民法の2週間のどちらが優先されるのかは、個別の事情で判断が分かれることがあります。 不安なときは、総合労働相談コーナーなど公的な窓口で確認してください。契約期間のある雇用(契約社員・派遣など)の場合
契約社員など、あらかじめ期間が決まっている雇用では、事情が変わります。 民法628条は、期間を定めた場合でも、やむを得ない事由があれば直ちに契約を解除できると定めています。 ただし、その事由が当事者の一方の過失によって生じたときは、相手方への損害賠償責任が生じます。 一方、労働基準法137条は、1年を超える期間の契約を結んだ労働者について、契約期間の初日から1年を経過した日以後は、使用者に申し出ることでいつでも退職できると定めています。 ただし、この規定には対象外となる労働者があります。 自分の契約が当てはまるかどうかは、雇用契約書の期間と契約の種類を確認したうえで、労働局の窓口に聞くのが確実です。| 雇用の種類 | 退職のルール | 根拠 |
|---|---|---|
| 期間の定めなし(正社員など) | 申入れから2週間で終了 | 民法627条1項 |
| 期間の定めあり(やむを得ない事由がある) | 直ちに解除できる。ただし本人の過失が原因なら損害賠償責任が生じることがある | 民法628条 |
| 1年を超える期間の契約(契約初日から1年経過後) | 使用者に申し出ればいつでも退職できる(対象外の労働者あり) | 労働基準法137条 |
退職は「お願い」ではなく「申入れ」
退職届や口頭での申入れは、会社に許可をもらうものではなく、意思を伝える行為です。 そのため、退職代行を使わなくても、メールや書面で意思を伝えるだけで辞められるケースは少なくありません。 退職代行を使うのは、次のような事情で自分で伝えること自体が難しいときです。- パワハラなどで、上司と話すこと自体が精神的に難しい
- これまで退職を申し出たが、取り合ってもらえなかった
- 出社するのが心身の限界に来ている
退職代行の費用で確認すること
退職代行の料金について、国や自治体などの公的機関が「相場」を公表している資料は、今回の確認では見つかりませんでした。 そのため、この記事では金額の目安は載せません。 民間企業、労働組合、弁護士で料金の仕組みが異なるため、数字を比べる前に、見積もりに何が含まれるかを揃えて比べることが重要です。見積もりで確認する項目
| 確認項目 | 聞くこと |
|---|---|
| 基本料金に含まれる範囲 | 退職の連絡だけか、書類のやり取りや連絡の取り次ぎまで含むか |
| 追加料金 | 会社が連絡を拒否した、退職日がずれたなどの場合に追加費用が出るか |
| 労働組合型の場合 | 組合加入費や組合費が別にかかるか、加入手続きの方法 |
| 弁護士型の場合 | 退職の連絡のみの料金と、請求・交渉を含む場合の着手金・報酬金の区別 |
| 返金の条件 | 退職できなかった場合に返金があるか、その条件はどうなっているか |
| 支払い方法とタイミング | 前払いか後払いか、振込先の名義が事業者名と一致するか |
安さだけで決めない
料金が安い業者は、その分、対応できる範囲が狭いこともあります。 たとえば、民間企業が低価格を打ち出していても、会社が有給や退職日の相談をしてきたときに「対応できません」と返され、結局、自分で会社とやり取りすることになるかもしれません。 その場合、最初から労働組合や弁護士に依頼した場合と比べて、時間も手間も増える可能性があります。 自分の状況で必要になりそうな対応を先に書き出し、その範囲を引き受けてくれるかを基準に選ぶほうが、結果的に費用を抑えやすくなります。退職代行を使うときの流れ
業者によって細部は異なりますが、基本的な流れは共通しています。 下の手順は、一般的な流れを整理したものです。 実際の運用は、申込先の説明に従ってください。- 相談前に状況をまとめる:雇用形態(正社員・契約社員など)、入社日、退職したい時期、有給休暇の残日数、未払いの賃金の有無、会社に預けている物と借りている物を整理します
- 運営元を決めて問い合わせる:上の比較表を参考に、自分が頼みたい内容を伝え、対応できるかを書面やメールで確認します
- 契約内容と見積もりを確認する:基本料金、追加料金、返金条件、対応範囲を確認します
- 支払いと正式な依頼:支払い方法と時期を確認したうえで依頼します
- 業者が会社に退職の意思を伝える:連絡の日時を事前に確認し、本人や家族への連絡を控えるよう会社に伝えてもらうかを相談します
- 書類と物品のやり取り:退職届、保険証、貸与品、私物の返却や受け取りを郵送で進めます
- 退職後の手続き:離職票、源泉徴収票などが届いているかを確認し、雇用保険や健康保険、年金の切り替えを進めます
依頼前にそろえておくもの
依頼をスムーズに進めるために、次のものを手元に用意しておくと安心です。- 雇用契約書、労働条件通知書(契約期間や退職の定めを確認するため)
- 就業規則(退職の手続きの定めを確認するため)
- 直近の給与明細(未払いの賃金や残業代の有無を確認するため)
- 有給休暇の残日数がわかる資料
- 会社から借りているもの(社員証、制服、パソコン、鍵など)の一覧
有給休暇・給与・書類・私物はどうなる?
退職代行を使っても、有給休暇や給与、離職票などの権利が消えるわけではありません。 ただし、これらを会社と調整するのが誰か(本人か、労働組合か、弁護士か)は、運営元によって変わります。有給休暇は退職前に使い切れる?
労働基準法39条は、6か月継続して勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に、10日の有給休暇を与えなければならないと定めています。 その後は、勤務年数に応じて日数が増えます。| 継続勤務年数(入社から) | 付与日数(労働基準法39条) |
|---|---|
| 6か月 | 10日 |
| 1年6か月 | 11日 |
| 2年6か月 | 12日 |
| 3年6か月 | 14日 |
| 4年6か月 | 16日 |
| 5年6か月 | 18日 |
| 6年6か月以上 | 20日 |
最後の給与と退職時の証明書
労働基準法23条は、労働者の退職の場合に、請求があれば7日以内に賃金を支払い、積立金や保証金などの権利に属する金品を返還しなければならないと定めています。 賃金に争いがある場合も、会社は異議のない部分を7日以内に支払う必要があります。 また、労働基準法22条により、退職した労働者が使用期間、業務の種類、地位、賃金、退職の事由について証明書を請求したときは、会社は遅滞なく交付しなければなりません。 これらは、退職代行を使ったかどうかに関係なく認められる権利です。 給与が振り込まれない場合は、退職代行業者ではなく、労働基準監督署などの公的窓口に相談するのが基本になります。離職票・源泉徴収票・保険証の返却
失業給付(基本手当)を受けるには、通常、離職票が必要です。 ハローワークの案内によると、離職後に雇用保険被保険者離職票が届き、会社から交付されない場合などは、住居地を管轄するハローワークに相談できます。 また、会社がハローワークに提出する離職証明書は、離職理由などの記載内容を本人が確認します。 自己都合で退職した場合は、離職理由によって基本手当に給付制限がかかることがあります。 制度は改正されることがあるため、最新の扱いはハローワークで確認してください。 源泉徴収票は、転職先の年末調整や確定申告で使います。 退職後の年末調整と確定申告については、こちらの記事で整理しています。
退職代行を使う場合も、これらの書類は郵送でやり取りできるかを事前に確認しておきましょう。
健康保険証は、退職日以降は使えなくなるため、会社への返却が必要です。 退職後の健康保険は、国民健康保険か、家族の扶養に入る形か、任意継続かを早めに選ぶ必要があります。私物の回収と貸与品の返却
会社に私物を置いたままの場合は、郵送で送ってもらえるかを依頼時に伝えておきましょう。 一方、制服、社員証、パソコン、鍵などの貸与品は、返却しないと会社から返却を求められたり、トラブルになったりするおそれがあります。 返却するときは、宅配便の追跡できる方法で送り、控えを保管してください。損害賠償・懲戒解雇と言われたら
退職代行を使うと、会社から「損害賠償を請求する」「懲戒解雇にする」と言われることがあります。 不安になりやすい部分ですが、法律上の考え方を知っておくと冷静に対応できます。違約金や損害賠償額を決めておくことは禁止されている
労働基準法16条は、使用者が労働契約の不履行について違約金を定めたり、損害賠償額を予定する契約をしたりすることを禁止しています。 たとえば、雇用契約書や誓約書に「途中で辞めたら◯万円の違約金」と書かれていても、そのまま請求が認められるとは限りません。 ただし、実際に会社に損害が生じ、それが労働者側の責任によるものと認められる場合は、別の問題として責任が問われる可能性があります。 具体的な金額や責任の有無は、個別の事情で判断が分かれます。「懲戒解雇にする」と言われたときの考え方
退職の意思を伝えただけで、直ちに懲戒解雇が認められるわけではありません。 正社員のように期間を決めていない雇用なら、申入れの14日後に契約が終わるというのが民法の定めです。 会社が「無断欠勤だから懲戒解雇」と主張する場合でも、退職の意思を適法に伝えているかが争点になることがあります。 退職の意思を伝えた日時と方法を記録に残しておくと、後の話し合いで役立ちます。 たとえば、退職届の写しや、業者が会社に連絡した日時の記録を保管します。 会社から損害賠償や懲戒解雇を実際に主張された場合は、本人が答えず、弁護士に相談するのが安全です。
スグレタブログ編集部退職代行を使わないほうがよいケースと、使うべきケース
退職代行は、すべての人に必要なサービスではありません。 状況に応じて、使うかどうかを判断してください。自分で伝えられる可能性があるケース
- 上司や人事とある程度会話でき、書面やメールで退職の意思を伝えられる
- 有給休暇や給与の扱いで会社と争いが起きそうにない
- 就業規則で退職の手続き(退職届の提出先など)が明確に決まっている
退職代行を検討したほうがよいケース
- パワハラなどで、上司に連絡すること自体が心身の負担になっている
- 退職を申し出たが、拒否されたり引き止められたりして先に進まない
- 会社から連絡が来るたびに強い不安や体調不良が出る
- 退職の連絡だけでよい:民間企業、労働組合、弁護士のどれでも可
- 有給消化や退職日の調整が必要:労働組合か弁護士
- 未払い残業代・退職金・慰謝料の請求がある:弁護士
- 会社から損害賠償を主張されている、または主張されそう:弁護士
退職代行業者を選ぶときのチェックリスト
運営元の種類のほかに、契約前に次の点を確認してください。- 運営会社名、所在地、代表者名が公式サイトに明記されている
- 弁護士や労働組合が関わる場合、契約書で契約の相手がどこかがわかる
- できること・できないことが書面で説明されている
- 追加料金が発生する条件と、返金の条件が書かれている
- 相談の段階で、詳細な個人情報やクレジットカード情報を求めてこない
- 「必ず有給を全部取れる」「残業代も確実に取れる」など結果を保証する
- 民間企業なのに、残業代や慰謝料の請求まで引き受けると説明する
- 契約書や利用規約を渡さず、今すぐ払うよう急がせる
- 運営元や契約の相手がどこなのか、質問しても明確に答えない
相談できる公的窓口
退職代行を使うかどうか迷う段階でも、公的な窓口は無料で相談できます。| 窓口 | 相談できること | 確認できた情報 |
|---|---|---|
| 総合労働相談コーナー(各都道府県の労働局・労働基準監督署内) | 解雇、退職、いじめ・嫌がらせなど職場のトラブル全般 | 厚生労働省によると、予約不要・無料で、面談か電話で相談できる。土日祝と年末年始(12月29日〜1月3日)は閉庁。所在地や電話番号は労働局ごとに異なる |
| 法テラス(日本司法支援センター) | 法律の制度や、弁護士・司法書士などの相談窓口の案内 | サポートダイヤル0570-078374(平日9時〜21時、土曜9時〜17時) |
| ハローワーク | 離職票が届かない、失業給付の手続き | 住居地を管轄するハローワークに相談する |
退職代行を使うと、本当に即日で辞められますか?
退職の意思を会社に伝えることは即日でもできますが、退職の効力が生じる日は別です。正社員などの場合、民法627条1項が定める終了日は申入れの14日後です。その間を有給休暇で消化できるかは、残っている日数と会社との調整しだいです。
民間企業の退職代行で、有給休暇の消化も頼めますか?
有給休暇の取得は、東京弁護士会が法律的な問題の例に挙げている事項です。民間企業が本人に代わって会社と交渉すると、非弁行為になる可能性があります。有給の消化まで任せたい場合は、労働組合か弁護士に頼めるかを確認してください。
会社が退職代行業者からの連絡を拒否したらどうなりますか?
民間企業の場合、会社が連絡を受け付けないと、本人が直接やり取りする場面が残ることがあります。申し込む前に、その場合に誰が何を対応するのか、追加料金は出るのかを書面で確認しておくと安心です。
会社から損害賠償を請求すると言われたら、どうすればよいですか?
労働基準法16条は、労働契約の不履行について違約金や損害賠償額をあらかじめ決める契約を禁止しています。実際に請求されたときは、本人が答えず、弁護士に相談してください。経済的に難しいときは、法テラスのサポートダイヤル(0570-078374)で相談窓口の案内を受けられます。
契約社員でも退職代行は使えますか?
使えますが、契約期間の途中で辞める場合は、民法628条のやむを得ない事由や、労働基準法137条の1年経過後の退職など、ルールが正社員と異なります。契約の種類によっては対象外のこともあるため、雇用契約書を持って総合労働相談コーナーや弁護士に確認すると確実です。
退職代行を使ったことは転職先に知られますか?
退職代行の利用そのものが、自動的に転職先に伝わる仕組みは確認できませんでした。ただし、離職票や源泉徴収票など、会社から届く書類を転職先に提出する場面はあります。気になる場合は、依頼前に、書類の送付先と連絡方法を業者に確認しておきましょう。
まとめ:退職代行は誰が運営するかで選ぶ
退職代行は、本人に代わって会社に退職の意思を伝えるサービスです。 ただし、民間企業・労働組合・弁護士で、会社と話し合える範囲が大きく変わります。 東京弁護士会は、残業代や慰謝料、退職金、有給休暇の取得など、法律的な問題について業者が本人に代わって話し合うと非弁行為になる可能性があるとして、注意喚起を出しています。 民法627条の原則は、退職の申入れから14日で契約が終わるというものです。 退職代行は、その申入れを自分で伝えるのが難しいときの手段として考えると整理しやすくなります。 選ぶときは、次の順で考えてください。- 退職の連絡だけでよいか、有給・残業代・慰謝料などの話も会社とする必要があるかを決める
- 必要な対応を引き受けられる運営元(民間企業・労働組合・弁護士)を選ぶ
- 見積もりの範囲、追加料金、返金条件を書面で確認する
- 迷ったら、総合労働相談コーナーや法テラスなど無料の公的窓口に先に相談する


