教育ローンの選び方!国の教育ローンの条件・金利と繰上返済の効果

教育ローンの選び方!国の教育ローンの条件・金利と繰上返済の効果
子どもの進学が決まり、入学金や授業料をすぐには用意できない。 そんなとき、まず候補に挙がるのが教育ローンです。 教育ローンには、日本政策金融公庫(日本公庫)の「国の教育ローン」と、銀行やJAなどが扱う民間の教育ローンがあります。 この記事では、公式情報が確認できる国の教育ローンを中心に、借りられる人の条件、金額、金利、申込みから入金までの日数を整理しました。 あわせて、借りたあとの繰上返済で利息がどれくらい変わるかも、試算の例で示しています。 国の教育ローンは、保護者が借りて保護者が返すお金です。 奨学金とは借りる人も返す人も違うため、先に違いを押さえておきましょう。
目次

教育ローンは2種類。国の教育ローンと民間の違い

教育ローンは、貸す機関によって条件が大きく変わります。
項目国の教育ローン(日本公庫)民間の教育ローン(銀行・JAなど)
借りる人学校に入学・在学する人の保護者金融機関ごとに決まっている
金利固定金利(年4.05%、令和8年7月1日現在)金融機関と商品ごとに異なる。固定・変動を選べる商品もある
所得の上限あり(子どもの人数で変わる)金融機関ごとに審査基準が異なる
借入額子ども1人につき350万円まで(一定の場合は450万円)商品ごとに異なる
確認先日本公庫の公式サイト利用を考えている金融機関の公式サイト
民間の教育ローンは、金利や上限額、保証料の有無が金融機関ごとにばらばらです。 この記事では、公式サイトで条件を確認できた国の教育ローンの数字を中心に書き、民間の数字は載せていません。 民間を検討する場合は、必ず各金融機関の公式ページで最新の金利と条件を確認してください。
どちらを先に調べるか
  • まず国の教育ローンの条件に当てはまるかを確認する
  • 所得の上限を超えたり、借りたい額が足りなかったりする場合に、民間を比べる
  • どちらも、借入額・金利・保証料・返済期間を同じ条件で並べて比べる

国の教育ローンの内容

ここからは、日本公庫が公表している内容をまとめます。

借りられる人と所得の上限

日本公庫の案内によると、対象は入学・在学する人の保護者で、主に生計を維持している人です。 世帯年収(所得)には、世帯主のほか配偶者などの収入も含まれます。 上限額は、世帯で扶養している子どもの人数によって次のように変わります。
子どもの人数世帯年収(所得)の上限
1人790万円(600万円)
2人890万円(690万円)
3人990万円(790万円)
4人1,090万円(890万円)
5人1,190万円(990万円)
括弧内は事業所得者の所得の上限です。 給与をもらっている人は、括弧の外の年収の数字で比べます。 子どもの人数は年齢や就学の有無を問わず、扶養している人数で数えます。 6人以上の場合は、教育ローンコールセンターに問い合わせる必要があります。

上限が緩和される場合

子どもが2人以内の世帯でも、次のいずれか1つに当てはまると、上限が990万円(所得790万円)まで緩和されます。
  • 勤続(営業)年数が3年未満、または居住年数が1年未満
  • 世帯のいずれかが自宅外通学(予定)、または借入申込人かその配偶者が単身赴任
  • 海外留学の資金として借りる
  • 借入申込人の年収(所得)に占める借入金返済の負担率が30%を超える
  • 親族に要介護(要支援)認定を受けた人がいて、その介護費用を負担している
  • 大規模な災害で被災した
緩和を使って申し込む場合は、追加の書類が必要です。 災害の特例を希望するときは、インターネット申込みが使えず、教育ローンコールセンターへの連絡が必要とされています。

借りられる金額と使いみち

融資の上限は、子ども1人につき350万円です。 次のいずれかの資金なら、上限は450万円になります。
  • 自宅外通学
  • 修業年限5年以上の大学(昼間部)
  • 大学院
  • 海外留学(修業年限3か月以上の外国教育施設)
上限は子ども単位で、上の子と下の子がそれぞれ350万円まで利用できます。 借入は10万円以上、1万円単位です。 使いみちは学校に払うお金に限りません。 入学金・授業料・施設設備費のほか、受験費用、アパートの敷金や家賃、教科書代、通学費、塾・予備校代、パソコンの購入費、学生の国民年金保険料、修学旅行費なども対象です。 対象になるのは、今後1年間に必要な費用です。 義務教育の期間中の費用は対象外です。 融資額の範囲内であれば、複数回に分けて借りられます。

金利・保証・返済期間

金利は年4.05%の固定金利です(令和8年7月1日現在、保証料は別)。 借りた時点の金利が完済まで変わりません。 金利は年2回、5月と11月の1日前後に見直されます。 見直し後の金利は、借りる日によって変わることがあるので、申込み時に公庫の案内で確認してください。 交通遺児家庭、母子家庭、父子家庭の人は、上の金利から年0.4%下がります。 世帯年収200万円(所得132万円)以内の人、または子どもが3人以上で世帯年収500万円(所得356万円)以内の人も、同じく0.4%下がります。 保証は、教育資金融資保証基金か連帯保証人のどちらかを選びます。 保証基金を使うと保証料がかかり、借りたお金から一括で差し引かれます。 連帯保証人を立てる場合は保証料がかからず、進学者・在学者の4親等以内の親族(配偶者を除く)が対象です。 返済は20年以内で、毎月同じ額を返していく元利均等返済です。 ボーナス月(年2回)に増額して返す方法もあり、借入額の50%以内とされています。 在学中は利息だけを払い、元金の返済を据え置くこともできます。 据置期間も返済期間に含まれる点に注意してください。
世帯年収は「見込み」でも判断される
今年の世帯年収(所得)が上限以内になる見込みがある人は、利用できる場合があると案内されています。 昨年の年収が上限を超えていても、あきらめる前に公庫へ確認する価値があります。 ただし、審査の結果、希望どおりにならないこともあります。

国の教育ローンと奨学金の違い

日本公庫のよくある質問では、奨学金制度(日本学生支援機構ほか)との違いが次のように説明されています。
項目国の教育ローン奨学金制度(日本学生支援機構ほか)
借りる人主に保護者子ども本人
返す人保護者卒業後に子ども本人
申込み窓口日本公庫の支店・Web・郵送学校
借りられる時期入学前でも、まとまった費用を借りられる入学後に貸与される
二つは併用できます。 国の教育ローンと日本学生支援機構の奨学金は、重ねて利用できます。 入学金など入学前に必要なお金を教育ローンで用意し、在学中の生活費の一部を奨学金で補う、といった組み合わせも考えられます。 ただし、どちらも返済が必要なお金です。 奨学金を借りる子どもの返済と、保護者の教育ローンの返済が重なるため、家計全体で無理がないかを見ておく必要があります。 奨学金や学生ローンの返済時期については、こちらの記事も参考になります。
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なお、入学時特別増額貸与奨学金は、国の教育ローンの審査で融資を受けられなかった世帯の学生が対象になる制度です。

この制度を使うには、公庫が出す通知文のコピーが必要になります。

申込みから入金までの流れと日数

申込みの流れ

申込みは、日本公庫の支店窓口、インターネット、郵送のいずれかです。 インターネットの場合は、先に日本公庫ダイレクトへの会員登録(またはログイン)が必要です。 受付時間は、Webなら24時間365日、郵送や窓口は営業時間内(平日9時から17時)です。
  1. 必要書類をそろえる
  2. 申込む(Web・郵送・窓口)
  3. 公庫が審査する
  4. 契約の手続きをする
  5. 指定の口座に入金される
必要書類は、申込方法や内容で一部変わります。 主なものは、住民票の写し、運転免許証などの本人確認書類、源泉徴収票または確定申告書(控)、住宅ローン(または家賃)と公共料金の支払い状況がわかる預金通帳などです。 入学資金の場合は、合格を確認できる書類も必要です。

入金までの日数

公庫の案内では、申込み完了から審査結果が出るまでに10日前後かかります。 さらに、実際に入金されるまで10日前後かかります。 入学シーズンの10月から3月は申込みが増え、これより時間がかかる可能性があります。 必要になる2〜3か月前の申込みが目安です。 入学費用は、合格発表の前でも申し込めます。 志望校が決まった段階で動いておくと、納付期限に間に合わなくなる心配が減ります。

審査で見られること

審査では、勤務(営業)の状況、収入(所得)の状況、ほかの借入の状況、住宅ローンや公共料金の支払いの状況などが総合的に見られます。 書類で支払い状況を確認するため、公共料金の引き落とし口座や、住宅ローンの返済状況は、申込み前に確認しておきましょう。
学生本人が申込人になるのは難しい
大学生が親元を離れて一人暮らしをしている場合でも、公庫は、学業に専念して返済の見通しが立てにくくなるため、主に生計を維持する親や親族に申込人になってもらうよう案内しています。

返済額の目安と繰上返済の効果

ここでは、国の教育ローンの金利(年4.05%)を使い、元利均等返済で試算した例を示します。 保証料は含みません。 実際の金利は借りる日で決まるため、実際の返済額とは異なります。

借入350万円の返済額の目安

返済期間金利毎月の返済額利息の合計
10年年4.05%約35,519円約76.2万円
15年年4.05%約25,977円約117.6万円
15年年3.65%(0.4%引き下げの対象)約25,279円約105.0万円
期間を5年延ばすと毎月の負担は約9,500円軽くなりますが、利息は約41万円増えます。 毎月の負担と利息の総額は、どちらかを良くするともう一方が悪くなる関係にあります。 返済の目安は、公庫の返済シミュレーションで、ボーナス返済や据置も含めて試算できます。

繰上返済で利息はどれだけ減るか

国の教育ローンは、繰上返済ができます。 公庫のよくある質問では、振込手数料は借りた人の負担ですが、繰上返済に伴う手数料などは一切かからないとされています。 繰上返済には、返済期間を縮める方法と、毎月の返済額を減らす方法があります。 350万円を年4.05%・15年で借り、5年間返済したあとに50万円を繰上返済した場合の試算です。
方法毎月の返済額残りの期間利息の合計
繰上返済しない約25,977円10年(120回)約117.6万円
期間を縮める約25,977円約7年9か月(93回)約96.0万円
毎月の返済額を減らす約20,903円10年(120回)約106.7万円
この例では、期間を縮める方法のほうが、利息は約11万円多く減ります。 毎月の返済額を減らす方法は、利息の減り方は小さいものの、毎月の負担が約5,000円軽くなります。 利息を減らしたいなら期間を縮める方法、家計の余裕を作りたいなら返済額を減らす方法が向いています。
試算の前提
元利均等返済、保証料なし、金利は年4.05%で固定として、編集部で計算した例です。 借りる日の金利や、繰上返済の日付、端数の処理によって、実際の金額とは異なります。
繰上返済を急ぐ前に、手元の生活費が足りなくならないかを確認しておきましょう。 国の教育ローンは固定金利なので、金利上昇を心配して急ぐ必要はありません。 生活費や急な出費に備える預貯金を残したうえで、ボーナスなど余裕のある範囲で行うのが現実的です。 結婚や住宅購入など、ほかの返済と重なる場合の家計の考え方は、こちらの記事が参考になります。
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ほかの返済がある場合は、金利の高いものから先に返すと、利息の負担を減らしやすくなります。

借りる前に確認したい公的な支援

教育ローンは返済が必要なお金です。 先に、返さなくてよい支援や、授業料そのものを減らせる制度が使えないかを確認しておくと、借りる額を抑えられる場合があります。 日本学生支援機構(JASSO)の案内では、「高等教育の修学支援新制度」は、返還が不要な給付型奨学金と、授業料・入学金の免除または減額を組み合わせた制度です。 対象は大学・短期大学・高等専門学校・専門学校で、世帯収入などの基準を満たす必要があります。 2025年度(令和7年度)からは、多子世帯を対象に、所得制限なく授業料等の減免支援が行われています。 教育ローンを申し込む前に、返済不要の支援が使えるかを確認しておきましょう。 対象かどうかは、進学先の学校の窓口やJASSOの公式サイトで確認できます。

借りる前に確認したい注意点

  • 教育ローンは借金で、返済は保護者が長期間続ける
  • 子どもが複数いると、進学時期が重なって返済と学費が同時にかかる
  • 在学中の利息のみ返済は、返済期間が長くなり、利息の合計も増えやすい
  • 金利が変わる民間商品は、将来の返済額が増えることがある
「審査なしで貸す」「学費の立替えを代行する」といった勧誘は、教育ローンの名前を使った闇金融などの可能性があります。 日本公庫や銀行など、公式サイトで運営者を確認できる機関だけに申し込みましょう。 返済が苦しくなりそうなときは、延滞する前に、借りている機関へ早めに相談してください。 借金の返済や契約に関するトラブルは、消費者ホットライン188(局番なし)で相談できます。 借金が膨らんで返せない場合は、法テラス(日本司法支援センター)でも、法的な相談の窓口を案内してもらえます。
スグレタブログ編集部スグレタブログ編集部
教育ローンは、学費の不足を埋める手段のひとつです。借りる前に、奨学金や学校の授業料減免、自治体の支援も含めて、返済の合計額を家族で確認してください。

よくある質問

国の教育ローンはいくらまで借りられますか?

日本公庫の案内では、子ども1人につき350万円までです。450万円までの借入れが対象になるのは、資金の使い道が自宅外通学、修業年限5年以上の大学(昼間部)、大学院、海外留学のいずれかの場合です。今後1年間に必要な費用が対象になります。

国の教育ローンの金利は変動しますか?

固定金利です。借りた時点の金利が完済まで変わりません。公庫の金利は5月と11月の1日前後に見直されるため、借りる時期によって金利が変わることがあります。令和8年7月1日現在は年4.05%です。

奨学金と教育ローンは両方使えますか?

使えます。公庫は、日本学生支援機構の奨学金と国の教育ローンを重ねて利用できると案内しています。ただし、どちらも返済が必要です。

申込みから入金まで、どれくらいかかりますか?

公庫の案内では、申込み完了から審査結果まで10日前後、そこから入金まで10日前後です。10月から3月の入学シーズンはさらにかかることがあるため、必要な時期の2〜3か月前の申込みが目安です。

繰上返済に手数料はかかりますか?

国の教育ローンは、繰上返済に伴う手数料などはかかりません。ただし、振込手数料は借りた人の負担です。民間の教育ローンは金融機関によって異なるため、契約先の公式ページで確認してください。

世帯年収が上限を少し超えていると借りられませんか?

今年の世帯年収が上限以内になる見込みがある場合は、利用できることがあります。子どもが2人以内でも、自宅外通学など一定の条件に当てはまると、上限が990万円(所得790万円)まで緩和されます。

まとめ

教育ローンは、国の教育ローンと民間の教育ローンに分かれます。 国の教育ローンは、保護者が借りる固定金利のローンで、子ども1人につき350万円(条件により450万円)まで借りられます。 世帯年収には上限があり、子どもの人数や状況によって変わります。 奨学金とは併用でき、入学前に必要な費用を借りることもできます。 申込みから入金まで、審査と入金で合わせて20日前後かかるため、必要な時期の2〜3か月前に動くのが目安です。 繰上返済に手数料はかかりませんが、手元の生活費を残したうえで検討しましょう。 数字は変わることがあるため、申込み前に必ず公式サイトで最新の内容を確認してください。
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