パチンコ依存症のメカニズム!前頭葉とドーパミンの関係、やめられない仕組みと相談先

パチンコ依存症のメカニズム!前頭葉とドーパミンの関係、やめられない仕組みと相談先
「今日は1万円までと決めたのに、気づけばATMに並んでいた」。 パチンコがやめられない状態は、意志が弱いからではなく、脳の働きの変化が関わっていることが分かってきています。 厚生労働省も、依存症は「本人の心が弱いから」なるものではなく、ドーパミンという脳内の物質が重要な役割を担う病気だと説明しています。 この記事では、パチンコ依存症(ギャンブル依存症)の仕組みを、ドーパミンと報酬系、前頭葉の2つの面から説明し、相談先と回復への道筋をまとめました。
目次

パチンコ依存症とはどんな状態か

パチンコ依存症は、パチンコやパチスロをする時間やお金を自分でコントロールできなくなり、生活に支障が出ても続けてしまう状態です。
  • 使う金額や時間を決めても守れない
  • 負けを取り返そうとして、さらにつぎ込む
  • やめようとすると、イライラしたり落ち着かなくなったりする
  • 家族にうそをついて打ちに行く、借金をしてでも打つ
  • 仕事や家事、人との約束よりパチンコを優先してしまう
厚生労働省は、依存症は「否認の病気」とも言われ、本人が問題を認めにくい一方で、家族は借金の尻ぬぐいなどで本人以上に疲れてしまうことが多いと説明しています。

仕組み1:ドーパミンと報酬系

「当たるかもしれない」で強く働く

脳には、うれしいことや期待できることがあると活発になる「報酬系」という回路があり、そこで働く物質の1つがドーパミンです。 ドーパミンは、気持ちよさそのものよりも、「もっとほしい」「またやりたい」という気持ちを強める働きがあるとされています。 パチンコは、いつ当たるか分からない仕組みです。 確実にもらえるごほうびより、「当たるかもしれない」状態のほうが期待が高まりやすく、リーチ演出などで何度も気持ちが揺さぶられることが、やめにくさにつながると考えられています。

慣れて、もっと強い刺激がほしくなる

厚生労働省の依存症のページでは、ギャンブルなどの行動が繰り返されるうちに脳がその刺激に慣れてしまい、より強い刺激を求めるようになり、その結果コントロールできなくなると説明されています。 最初は少ない金額で満足していた人が、だんだん高いレートの台に移ったり、打つ回数が増えたりするのはこのためです。

仕組み2:前頭葉のブレーキが効きにくくなる

脳の前の方にある前頭葉(前頭前野)は、状況を判断したり、衝動を抑えたりする「ブレーキ」の役割を持っています。 日本医療研究開発機構(AMED)が2017年に発表した研究では、ギャンブル依存症の患者で、前頭前野の一部(背外側前頭前野)の活動が低下していることが示されました。 さらに、前頭前野の2つの部分の結びつきが弱い患者ほど、ギャンブルをやめている期間が短く、リスクを取る必要のない場面でも大きなリスクを取りやすいことも分かったとされています。 「やめたほうがいい」と頭では分かっていても止められないのは、このブレーキの働きが弱くなっていることと関係していると考えられます。
スグレタブログ編集部スグレタブログ編集部
「次は勝てる」「取り返せる」という考えが浮かんだら、それ自体が依存のサインかもしれません。打つ前に、今月使った金額を書き出してみてください。

回復のためにできること

依存症は、適切な治療とその後の支援によって回復できる病気だと、厚生労働省は説明しています。

まず相談する

相談先内容
保健所保健師や医師、精神保健福祉士などが、電話や面談で本人・家族の相談に応じる
精神保健福祉センター各都道府県・政令指定都市ごとに1か所ずつ(東京都は3か所)あり、依存症の相談を受け付ける
依存症の専門医療機関診察やカウンセリング、回復のためのプログラムを受けられる
自助グループ同じ悩みを持つ人どうしが集まり、体験を話し合う

※相談先は厚生労働省「依存症対策」ページより。地域の窓口は同ページや依存症対策全国センターのサイトで探せます。

自分でできる工夫

  • キャッシュカードやクレジットカードを持ち歩かない、家族に預ける
  • パチンコ店の前を通らない道で帰る
  • 打ちたくなる時間帯(給料日、休日の午後など)に別の予定を入れる
  • 使った金額を記録して、現実の数字を見る
借金を借金で返す状態になっている場合は、家族や自分だけで返そうとせず、依存症の相談とあわせて借金の相談窓口も利用してください。 家族が借金を肩代わりすると、一時的には楽になっても、また打ちに行く資金になってしまうことがあります。 依存からの回復に治療の力を借りる考え方は、禁煙治療にも通じます。禁煙補助薬や禁煙外来が広まった経緯をまとめた記事も参考になります。
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パチンコ依存症のよくある質問

パチンコ依存症は意志が弱いからなるのですか?

厚生労働省は、依存症は「本人の心が弱いから」なるものではなく、ドーパミンという脳内の物質が重要な役割を担う病気だと説明しています。

前頭葉はパチンコ依存症とどう関係していますか?

AMEDが2017年に発表した研究では、ギャンブル依存症の患者で前頭前野の一部(背外側前頭前野)の活動が低下していることが示されました。判断や衝動を抑えるブレーキの働きが弱くなると考えられています。

パチンコ依存症はどこに相談すればいいですか?

お近くの保健所や精神保健福祉センターに相談できます。精神保健福祉センターは各都道府県・政令指定都市ごとに1か所ずつ(東京都は3か所)あります。

家族がパチンコ依存症かもしれないときは?

ひとりで抱え込まず、家族だけでも保健所や精神保健福祉センターに相談してください。借金の肩代わりは、次に打ちに行く資金になってしまうことがあります。

まとめ

パチンコ依存症には、「当たるかもしれない」という期待でドーパミンが強く働き、刺激に慣れてもっと強い刺激を求めるようになる報酬系の変化と、判断や衝動のブレーキ役である前頭前野の働きの低下が関わっています。 意志の弱さではなく病気なので、ひとりで抱え込まず、保健所や精神保健福祉センターなどに早めに相談することが回復への近道です。
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