必ず見つかる？探偵に人探しを依頼するなら知るべき種類・費用・成功の境界線

人生には、恩師や家族とのポジティブな再会を願う人探しもあれば、債務者やトラブル相手といったネガティブな解決を目的とした人探しもあります。

どのような動機であれ、「あの人は今どこにいるのか」という切実な願いが、探偵事務所への依頼につながります。

しかし、人探しは「時間との戦い」であることを忘れないでください。

時間が経つほど情報は古くなり、難易度と調査費用は高くなっていきます。

自己流で時間を浪費する前に、初期段階でプロの判断を仰ぐことが、成否を分ける鍵になります。

このコラムでは、探偵が行う人探し調査の種類、費用、そして法的・倫理的な限界を明確にします。

あなたが抱える願いをできるだけ安全に、そして確実に実現するための具体的な指針をお伝えします。

探偵が扱う「人探し調査」の種類と難易度

家出・失踪人調査：緊急性が高い「時間との戦い」

これは最も緊急性が高い人探しです。対象は、突然姿を消した家族、未成年者、または徘徊する可能性のある認知症の高齢者などです。

事件や事故に巻き込まれている可能性も考慮されるため、初動の早さが成功率を左右します。

難易度の特徴：情報鮮度が命です。失踪直後であれば、監視カメラの映像や、最後に使用した携帯電話の位置情報（警察連携を通じて）など、手がかりが比較的新しく残っています。

探偵の手法：警察への家出人捜索願の届出と並行し、聞き込み、対象者の友人・知人への接触、SNSの最終利用履歴や行動圏の分析などを迅速に行い、逃走ルートや失踪時の状況を緊急で特定します。

所在調査：過去の情報に基づく「情報の掘り起こし」

最も一般的な人探しの依頼です。

「連絡を取りたい恩人」「過去の知人」「昔の初恋の相手」など、事件性はなく、対象者の過去の情報は知っているが、現在の住所がわからないケースです。

難易度の特徴：初期情報の量が鍵になります。氏名、生年月日、旧住所などの断片的な情報を基に、探偵の持つ独自のデータベースや、人脈を使った広範囲な聞き込みのスキルが試されます。情報が古いほど、古い繋がりや地縁を丁寧に辿る地道な作業が中心となります。

探偵の手法：過去の卒業アルバムや職場情報からの人脈調査、公になっている公開情報の収集・分析（名簿、新聞記事など）を行い、手がかりを掘り起こしていきます。

債務者・トラブル相手調査：法的手続きのための「証拠収集」

これは、対象者が意図的に居場所を隠しているケースです。

借金を踏み倒して逃亡した人物や、裁判の証人、連絡を絶った不倫相手など、特定後の法的な措置を見据えた調査になります。

難易度の特徴：対象者の警戒度が非常に高いため、難易度は高くなります。単なる情報収集だけでなく、尾行や潜入調査といった専門技術や、相手の生活圏に入り込む緻密な計画が求められます。

探偵の手法：弁護士と連携し、銀行口座の出入り状況（弁護士照会）、転職先の特定、車両ナンバーからの追跡、そして特定された場所での張り込みなどを行います。特定された情報は、そのまま裁判の書類として使用できるよう整えられます。

生き別れの家族・親族調査：「戸籍」に頼る調査

養子縁組をした実の親、生き別れの兄弟姉妹など、血縁者を探す調査です。

難易度の特徴：調査自体が個人の人権やプライバシーに深く関わるため、倫理性が最も問われます。法的に戸籍を辿る権利があるか、特定後の接触に最大限の配慮ができるかが重要です。

探偵の手法：法的手続きを踏んで、戸籍情報や除籍簿を辿る（この過程で弁護士の協力が必要になることが非常に多いです）。その情報から現在の戸籍上の住所を特定し、現住所にたどり着くための調査に移行します。

探偵に依頼するメリットと成功の境界線

探偵の強み：情報収集のプロフェッショナル

人探し調査において、探偵が他の選択肢（警察や自力調査）よりも優れている点は明確です。

• 警察との役割分担：警察は「事件性」がなければ基本的に捜査をしてくれません。一方、探偵は事件性の有無にかかわらず、依頼者の要望に基づき調査が可能です。これにより、警察が動いてくれない「所在調査」や「債務者調査」が行えます。
• 専門的な情報源と人脈：探偵は長年の活動で培った独自のデータベースや、他社の探偵と連携するネットワークを持っています。また、聞き込みにおいても、対象者の知人や関係者から合法的に、不自然にならない形で情報を引き出すスキルに長けています。
• 合法的な調査活動：探偵は、張り込みや聞き込みといった調査を探偵業法に基づき合法的に行えます。依頼者自身が自力で調査を試み、ストーカー規制法や住居侵入罪などの違法行為のリスクを負うことを避けられます。

調査の限界と人権・倫理の壁

人探し調査は「万能ではない」という限界も理解しておく必要があります。

• 法的な壁：探偵は法律によって、差別的な調査や人権を侵害する行為（戸籍の不正取得、盗聴・盗撮、GPSの無断装着など）は固く禁じられています。例えば、「部落差別に関わる調査」や「ストーカー行為に発展する調査」は依頼できません。
• 情報の壁：対象者の初期情報が極端に少ない場合（例：「20年前に一度会っただけの名前も知らない人物」など）、手がかりがなく、調査が停滞し、費用だけがかさむ可能性があります。
• 成功の定義：人探しにおける探偵の「成功」は、原則として「現在の居場所（現住所）」を特定することです。探偵が居場所を特定した後、その後の接触や再会は、依頼者自身の責任と判断で行う必要があります。探偵は、対象者の居場所を特定しても、その先の「再会」を強制することはできません。

調査費用を決める要因

調査費用は、「見つかるかどうか」の難易度に比例します。以下の要因で費用が大きく変動します。

• 情報の鮮度と量：情報が新しいほど、また初期情報が多いほど（氏名、生年月日、旧住所、写真が揃っている）安くなります。情報が古く、少ない場合は、情報収集に時間がかかり高額になります。
• 対象者の警戒度：意図的に身を隠している債務者やトラブル相手は、難易度が高く、長期間の張り込みが必要なため高額になります。逆に、単に転居しただけの知人などは安く収まることが多いです。
• 調査員の体制：広範囲にわたる聞き込みや、場所の特定後の慎重な尾行には、複数体制が求められるため、人件費が増えます。特に緊急性の高い家出調査では、複数の調査員が短期間で集中して動くため、初期費用が高くなる傾向があります。

失敗しない探偵事務所選びと調査成功へのステップ

人探し調査に強い探偵事務所の選び方

人探しを依頼する探偵事務所を選ぶ際は、以下の点に特に注目して慎重に選びましょう。

• 実績と専門性：浮気調査だけでなく、「人探し調査」の具体的な実績数や成功事例を尋ねましょう。人探し調査のノウハウ、特に広範囲なネットワークや情報源を持っているかが重要です。
• 費用の明確性：「成功報酬型」を提示された場合、その「成功」の定義を「現住所の特定」と明確に契約書に記載しているか確認してください。「情報提供」といった曖昧な定義の事務所は避けるべきです。
• 調査員の倫理性：差別的な目的の調査を依頼した場合や、法的にグレーな方法を提案した場合に、毅然と拒否する姿勢があるかを初回相談で見極めましょう。人権を尊重する事務所でなければ、あなた自身がトラブルに巻き込まれる可能性があります。
• 法令遵守：事務所に探偵業届出証明書が明示されているかを確認し、人権侵害にあたる違法な調査方法を提示しないことを保証してもらいましょう。

依頼者が準備すべき調査を成功に導く情報

成功率を上げる鍵は、依頼者がどれだけ正確で詳細な初期情報を提供できるかにかかっています。

探偵は魔法使いではありません。

以下の情報をできる限り集めておきましょう。

• 基礎情報：過去の住所、氏名（旧姓・旧名）、生年月日、顔写真（最新のものと、特徴がよくわかる古いものの両方）。
• デジタル情報：最後に利用していたSNSのアカウント名（Twitter, Facebookなど）、古いメールアドレス、携帯電話番号。
• 人間関係と動機：人間関係のトラブル、借金の有無、失踪や家出の動機など、隠さずにすべて伝えることが重要です。探偵は、提供された情報をもとに、対象者が意図的に逃げているのか、あるいは単に転居しただけなのかを判断します。
• 物的証拠：過去の手紙やハガキ、卒業証書など、文字情報や印鑑が残っているものは、調査の大きなヒントになります。

人探し調査のその先：法的措置と再会の倫理

居場所特定後の法的・直接会わない形での解決

法的解決（債務など）：
債務者やトラブル相手の居場所が特定された場合、直ちに弁護士に情報を引き継ぎます。
弁護士は、特定された住所を基に裁判所から支払督促や訴訟を起こし、法的に問題を解決。
探偵の役割は、「法的手続きに必要な証拠の提供」という形で完了します。

直接会わずに解決する方法：
「相手の現在の生活を乱したくない」「遠方から静かに見守りたい」といったケースもあるでしょう。
この場合は探偵と相談し、相手に依頼者の連絡先を記した手紙を代理で渡してもらうなど、相手に選択権を与える慎重なアプローチを選ぶべきです。

再会を望む場合の倫理的な配慮

再会を望む人探しの成功は、喜びと同時に大きな責任を伴います。

• 拒否権の尊重：過去の理由で連絡を絶っている相手には、「再会を拒否する権利」があることを理解しなければなりません。探偵は、依頼者の代わりに強引な接触を試みたり、相手の私生活に踏み込むような行為をすることはできません。
• 慎重なメッセージ伝達：再会を望む場合は、いきなり接触するのではなく、探偵や弁護士を通じて、相手に選択権を与える形でメッセージを伝達するのが最善です。例えば、「あなたの生活を脅かす意図はない。もしよろしければ連絡が欲しい」という旨のメッセージを、相手の自宅に配達記録の残らない形で送るなどの配慮が必要です。

まとめ

人探し調査には、時間、情報、倫理という壁があり、個人の力には限界があります。

探偵への依頼は、合法的な手段と専門ネットワークを活用し、成功の可能性を最大限に高めるもっとも合理的な選択です。

あなたがすべきことは、調査の目的（法的措置か再会か）を明確にし、倫理観と実績を兼ね備えた信頼できる探偵事務所を選ぶことです。

「人探し」は、探偵との協力です。情報を正直にプロに託す勇気が、望む解決への第一歩になります。

人探しに関するFAQ

人探し調査の成功率はどのくらいですか？必ず見つかりますか？

「必ず見つかる」という保証はできませんが、情報量によって成功率は大きく変わります。
高いケース: 情報が新しく多い場合（氏名、生年月日、直近の住所、写真が揃っている、または失踪直後）は、成功率は80%以上になることもあります。
低いケース: 情報が古く、対象者が意図的に身を隠している（債務者など）場合は、時間と費用がかかり、難易度が非常に高くなります。
探偵の役割: 探偵は、合法的な手段で居場所を特定するプロです。自力で見つけられない情報を独自のネットワークで掘り起こし、成功の可能性を最大限に高めます。

警察に「家出人捜索願」を出している場合でも、探偵に依頼する意味はありますか？

はい、意味があります。警察と探偵は役割が異なります。
警察: 「事件性」や「緊急性」が高いケース（未成年者、事故の可能性など）を優先的に捜査します。事件性が低い単なる所在調査や成人の家出は、捜査の優先度が低くなります。
探偵: 事件性の有無にかかわらず、依頼に基づきすぐに調査を開始できます。警察の捜査対象外の情報収集や聞き込みを広範囲に迅速に行い、初動の遅れを防ぎます。両方を並行して行うことで、最も成功率が高まります。

人探しの費用は「成功報酬」ですか？特定できなかった場合、費用は戻りますか？

探偵事務所によって異なりますが、主に「時間制」と「成功報酬制」があります。
成功報酬制: 居場所の特定に成功した場合のみ費用が発生しますが、着手金が必要な場合が多く、費用全体が高くなる傾向があります。
時間制（費用発生）: 調査時間に応じて費用が発生するため、特定できなかった場合でも使った時間分の費用は支払う必要があります。
契約確認: 契約時には、「成功の定義」を「現住所の特定」など具体的に確認し、特定できなかった場合の返金規定についても明確にしておくことが重要です。

連絡を絶っている「生き別れの親族」を探すのは違法になりませんか？

違法ではありませんが、倫理的な配慮が不可欠です。
調査は合法：探偵業法に基づき、生き別れの親族を探すこと自体は合法です。戸籍を辿る必要がある場合は、弁護士の協力を得るなど、合法的な手続きを踏みます。
接触が問題：問題となるのは「特定後の接触」です。相手が再会を強く拒否しているにもかかわらず、執拗に接触を試みたり、生活を乱したりする行為は人権侵害にあたります。
探偵の役割：探偵は、居場所を特定した後、再会を強制するのではなく、相手の意思を尊重した慎重なメッセージの伝達方法を提案してくれます。

調査を成功させるために、依頼者側でやってはいけない行動は何ですか？

自力での接触や、情報源への無許可の接触は絶対に避けてください。
対象者への接触：見つかりそうだと焦り、自分で連絡を取ったり、居場所に行ったりすると、警戒されて身を隠すことになり、調査が失敗します。
情報源への接触：昔の友人や職場に「探偵が入る前の段階で、自分で連絡を取って探した」ことを知られると、その後のプロの聞き込みが難しくなります。
情報の開示：探偵には、借金やトラブルといったネガティブな情報も含め、すべて正直に伝えてください。情報が多いほど、調査の成功率は高まります。