四国地方で長年親しまれてきた電力会社といえば四国電力です。
1951年の設立以来、安定供給と地域密着のサービスで信頼を築き、家庭や産業を支えてきました。
電力自由化後は、料金プランの多様化や再エネ導入、ガス事業参入など、新たな取り組みを展開しています。
本記事では、四国電力の料金体系や特徴、選ぶメリット・注意点、新電力との比較ポイントまでをわかりやすく紹介します。
四国電力の概要と地域での役割
四国電力は香川県高松市に本社を置き、香川・徳島・愛媛・高知の四国4県を中心に電力を供給しています。
供給エリアには山間部や沿岸部、さらには離島も含まれ、多様な地形や気象条件に対応するための堅牢な送配電ネットワークを構築しています。
伊方原子力発電所をはじめ、火力・水力・太陽光・風力など多様な電源を組み合わせることで、安定供給と環境負荷の低減を両立。
台風や豪雨など自然災害が多い地域特性に合わせ、防災・復旧体制の強化や地域自治体との連携も積極的に行っています。
また、四国特有の離島エリアでは、臨時発電機の設置やフェリー輸送による非常用電源車の配備など、地域事情に即した電力確保策を展開しています。
多彩な料金プランと選び方
家庭向けプラン
標準的な「従量電灯A・B」に加えて、以前は「時間帯別電灯」や「季節別時間帯別電灯」のように夜間や特定時間帯を割安にするプランが提供されていました。
ただし、これらのプランはすでに 新規申し込みが2025年3月31日をもって終了しており、現在は既契約者のみ継続利用が可能な状況です。
オール電化住宅や夜間利用が多い世帯では、これらのプランを活用することで年間の光熱費を大幅に削減できます。
また、省エネ機器との組み合わせや使用時間の工夫によって、さらに効果的な節約が可能です。
法人向けプラン
業務用・産業用の高圧契約に加え、工場や大型商業施設向けの特別高圧契約も提供しています。
ピーク時の電力使用を抑えるピークカットサービスや、詳細な省エネ診断によるコスト削減提案など、事業活動の効率化を支援する仕組みも充実。
地域産業との協力によって、安定供給とコスト抑制を両立させる電力活用を可能にしています。
四国電力ならではの特徴と取り組み
時間帯別料金とオール電化向け割引
夜間や特定時間帯の電気料金を割安に設定し、給湯や暖房を効率的に利用できる「季節別時間帯別電灯」などを提供。
特にオール電化住宅や夜間利用が多い家庭では、年間で大幅なコスト削減が可能です。
地域密着型の防災・災害対応体制
台風・豪雨の影響を受けやすい四国の地理特性に合わせ、送配電設備の耐風・耐水害対策を強化。
災害発生時には非常用電源車や仮設電柱を迅速に配備し、地域自治体との連携で避難所や病院への優先供給を行います。
再エネ活用と環境保全
四国は日照時間や風況に恵まれた地域が多く、太陽光・風力発電の導入を積極的に推進。
再エネ由来の電力を選べるプランや、CO₂排出量を実質ゼロにできるオプションも提供しています。
伊方原子力発電所による安定供給
四国電力は愛媛県にある伊方原子力発電所を基幹電源として活用しており、全国的にも数少ない半島立地の原子力発電所を持つ会社です。
この発電所は出力調整力が高く、四国エリアの安定供給を支える重要な役割を担っています。
燃料費高騰時にもコスト安定化に寄与しますが、立地や安全対策に関しては地域社会との連携や情報公開を重視しています。
離島を含む広域供給と防災対策
四国電力の供給エリアは本四架橋やフェリー航路で結ばれる離島も含み、山間部・沿岸部など多様な地形に対応した送配電設備が必要です。
そのため、送電線や配電設備の耐風・耐塩害仕様、非常用電源車の離島輸送体制など、地域特性に即した災害対応策を構築しています。
台風・豪雨時には自治体や港湾と連携し、重要施設への優先復旧や臨時発電機の設置も行われます。
四国ガスとの連携によるエネルギー提案
四国電力は電気だけでなく、グループ会社を通じてガス販売事業にも参入しています。
四国ガスや提携ガス事業者とのセット契約では、光熱費の合算請求や割引が受けられるほか、ポイント付与やキャンペーン特典が適用されることもあります。
電気とガスをまとめて契約することで、料金管理の手間を減らし、家庭や事業所のエネルギーコスト全体を効率化できるのが強みです。
さらに、省エネ家電や高効率給湯器の導入支援など、総合的なエネルギー提案を行う体制も整っています。
契約前に知っておきたい注意点
- 生活リズムによっては割高になる可能性:昼間の利用が多い家庭では、時間帯別料金のメリットが得にくくなる場合があります。
- 新電力の特典に劣る場合も:ポイント還元やセット割引率では新電力の方が有利なケースもあります。契約前に比較が必要です。
電力自由化後の四国電力の立ち位置
四国電力は、地域性に合わせた料金体系と災害対応力で安定した支持を維持しています。
一方、都市部やネット契約層では新電力の低価格プランや特典への流出も見られ、利用者は価格・サービスの総合比較を行う傾向が強まっています。
どんな人に向いている?四国電力と新電力の比較
四国電力が向いている人
- 夜間や休日の電力利用が多い家庭
- オール電化や時間帯別料金を活用したい人
- 災害対応や地域密着型のサービスを重視する人

新電力が向いている人
- 料金の安さを最優先にする人
- ポイントや特典を最大限活用したい人
- 契約条件や期間の柔軟性を求める人



四国電力に関するよくある質問と回答
四国電力の電気料金は高いですか?
- 一概に高いとは言えません。
電気の使用量や契約プランによって差があります。例えば、オール電化向けの「でんかeプラン」を活用できる家庭では、新電力より安くなる可能性があります。
しかし、昼間に電気を多く使う家庭では割高になることもあるため、過去1年間の使用実績をもとに公式サイトのシミュレーションで比較するのがおすすめです。 契約変更はオンラインで可能ですか?
- はい、可能です。
「よんでんコンシェルジュ」にログインすれば、料金プランの変更、契約情報の確認、使用量の確認などがインターネット上で完結します。
手続きは24時間可能で、スマホやPCからも操作できます。また、プラン変更自体もスムーズで、数日〜2ヶ月ほどで反映されます。 「時間帯別電灯」などの夜間割安プランはまだ申し込めますか?
- かつて存在した「時間帯別電灯」や「季節別時間帯別電灯」は、2025年3月31日をもって新規申し込みを終了しており、現在は既契約者のみ継続利用可能な状況となっています。
新規契約としては利用できません。 再エネプランの条件はありますか?
- 再生可能エネルギー由来の「グリーンでんき」などのオプションプランは、特別な住居条件や設備の設置は不要で、賃貸や集合住宅でも申し込み可能です。
追加料金が必要ですが、環境意識の高い家庭や企業のニーズに応えています。制度の詳細や単価は年度ごとに更新されるため、申し込み前の確認をおすすめします。 解約時に違約金はありますか?
- 標準的なプランでは違約金は発生しません。
ただし、期間限定キャンペーンや特典付きプランでは、中途解約時に費用が発生する場合があります。
移転や乗り換えの際には、契約条件をあらかじめ確かめ、更新月など有利なタイミングを狙って手続きを行うと安心です。
四国電力を検討する前に押さえておきたいこと
四国電力は、夜間・休日の割引プランや災害対応力、再エネ活用など、地域特性に即したサービスが魅力です。
一方で、新電力の価格や特典が有利なケースもあるため、自分の生活パターンや優先事項に応じた比較が欠かせません。