島根県で電力会社を選ぶとき、安定供給力を持つ関西電力と、料金の安さや再エネ対応が魅力の新電力をどう比較するかが重要です。
日本海側特有の風雪や豪雨、山陰地方の地震リスクなど、自然災害による停電対策も無視できません。
また、隠岐諸島の風力発電、出雲・松江エリアのメガソーラー、小水力再整備といった地域ならではの再エネ資源も注目ポイントです。
本記事では、家庭や事業者が「コスト」「環境」「安心」をバランスよく両立できるよう、島根県で契約可能な電力会社の特徴を徹底解説します。
島根で電力会社を選ぶポイント
- 日本海側の気候特性（風雪・豪雨・冬の底冷え）により、冷暖房需要と災害停電リスクが大きい
- 観光（出雲大社・石見銀山）や農業・水産業など地域需要が多様
- 三隅火力の脱炭素転換、小水力・風力・メガソーラーなど地域資源が豊富
関西電力の特徴と強み
関西電力は島根県全域をカバーし、積雪・豪雨への復旧体制を備えています。
家庭向けには「従量電灯A」「時間帯別電灯」「はぴeタイム」など多彩なプランを提供。
「なっトクパック」による電気＋ガスのセット契約も可能です。
災害時には非常用電源車や復旧部隊を迅速展開でき、安定供給力に強みがあります。
▶ 関西電力公式
リボンエナジー
リボンエナジーは固定単価制を採用しており、料金の見通しが立てやすい点が特徴です。
島根県全域で契約可能で、共働き世帯やオール電化住宅との相性が良好。
契約縛りが緩く、引っ越しや転勤が多い家庭にも安心。初めて新電力を利用する方にもわかりやすいプランです。
オクトパスエナジー
英国発の新電力で、再エネ100％プランや時間帯別料金プランを提供。
松江・出雲市を中心に、山間部や隠岐諸島でも契約可能です。
スマートメーター活用によるデータ分析、省エネアプリのサポートが人気。
環境意識の高い家庭や観光業・宿泊施設におすすめです。
リミックスでんき
リミックスでんきは低価格の従量単価と契約縛りの緩さが魅力。
飲食店・小規模店舗・宿泊業など、観光需要や季節変動のある事業者に適しています。
柔軟な料金体系で、コスト重視の家庭や事業所にも人気の選択肢です。
島根県の再エネ活用
三隅火力と脱炭素転換
浜田市にある三隅火力発電所は、中国地方の基幹電源のひとつとして長年稼働してきました。
石炭火力を中心としていますが、近年はバイオマス混焼の導入やCO₂削減対策が進められており、地域の脱炭素化に向けた重要な拠点へと変化しつつあります。
今後は、再エネとのハイブリッド利用やカーボンニュートラル燃料の実証研究なども検討されており、「安定供給と脱炭素」の両立が期待されています。
水力発電（匹見川・神西湖周辺）
島根県の山間部には、多数の小規模水力発電所が整備されています。
匹見川流域や神西湖周辺では、小水力による安定した発電が地域の基盤を支えており、農業や生活インフラに直結。
また、老朽設備のリニューアルが進み、PFI方式での再整備も検討されるなど、地域経済とエネルギー供給を両立する仕組みが広がっています。
隠岐諸島の風力発電
島嶼地域である隠岐諸島は、洋上風力や陸上風車の設置が検討されている有望エリアです。
特に日本海特有の強風を活かした風力発電は、離島のエネルギー自立を可能にする「分散型モデル」として注目されています。
漁業や港湾施設との共生を前提にしたプロジェクトも進行中で、地域経済の新しい柱になる可能性を秘めています。
ソーラー事例（出雲・松江）
出雲市や松江市では、大規模メガソーラーや企業キャンパスにおける屋上ソーラーの導入が進んでいます。
例えば観光拠点や宿泊施設でのソーラー設置は、災害時の非常用電源としても機能し、観光客への「環境配慮型観光」のPR要素にもなっています。
また、農業分野では「ソーラーシェアリング」によって農地を活かしながら発電する取り組みも始まっており、農業・観光・再エネの三位一体モデルが模索されています。
地域振興と再エネ融合
島根県では、伝統文化や観光資源と融合した「地域振興型の再エネ活用」が進んでいます。
石見銀山や出雲大社などの観光資源を抱える地域では、照明・冷暖房に省エネ設備を導入し、持続可能な観光モデルの確立を目指しています。
また、地元林業と連携した木質バイオマスの検討も進んでおり、「地産地消のエネルギーモデル」として今後の発展が期待されています。
島根で電力会社を選ぶなら？タイプ別おすすめ
大手電力が合っている人
- 災害時の復旧や安定供給を最優先する方
- 観光業や大規模事業を営む法人
新電力が合っている人
- 再エネプランや料金透明性を重視する方
- 小規模事業や家庭でコスト削減をしたい方
よくある質問（FAQ）
島根の電気料金は高い？
- 島根県は冬の底冷えによる暖房需要、そして梅雨や夏の高湿度による冷房需要が大きく、年間を通じて電気代がかさみやすい地域です。
特に出雲・松江といった都市部では冷暖房の使用が集中し、農村部ではビニールハウス加温など産業需要も重なります。
そのため「全国平均より割高に感じる」家庭も少なくありません。
ただし、省エネ家電や高断熱住宅への切り替え、関西電力の時間帯別料金プラン「はぴeタイム」などを組み合わせれば、年間数万円単位の節約も可能です。 新電力に切り替えて停電は増える？
- いいえ。停電の発生や復旧の優先度は契約会社に関係なく、「関西電力送配電株式会社」が一括して管理しています。
そのため新電力に切り替えても停電リスクは変わりません。
違いが出るのはサポート体制や情報提供の速さです。
たとえば、アプリ通知やメール配信に力を入れている新電力なら、災害時にも迅速に情報が届き、安心感が高まります。豪雪や地震など停電リスクがある島根では「情報の早さ」も大きな判断材料です。 再エネプランは選べる？
- はい。島根は隠岐諸島の風力発電、出雲・松江のメガソーラー、小水力の再整備など再生可能エネルギー資源が豊富です。
こうした背景を踏まえ、オクトパスエナジーのように「再エネ100％」を掲げるプランも契約可能です。
家庭や事業所が再エネ電力を選択することで、地域の脱炭素化にも直接貢献できます。 観光業や事業者におすすめは？
- 出雲大社や石見銀山をはじめ観光業が盛んな島根では、大規模供給力と災害対応力に強い関西電力が安心です。
ホテルや旅館、工場など電力使用量が多い業態に向いています。
一方で飲食店や農業事業者など小規模施設では、リミックスでんきのように低価格かつ契約縛りが緩やかな新電力が人気。
繁忙期と閑散期の使用量変動にも柔軟に対応できる点がメリットです。 光熱費の節約策は？
- 島根県は冬夏の寒暖差が大きいため、断熱材や二重窓、断熱カーテンなどの導入で冷暖房効率を高めることが節約のカギです。
さらに、省エネ型エアコンやLED照明に切り替えることで日常的な使用量を抑制できます。
関西電力の時間帯別料金プランを活用し、夜間に洗濯機や食洗機を動かせば電気代を削減可能。
さらに屋根ソーラー＋家庭用蓄電池を導入すれば、平常時は自家消費による光熱費削減、災害時には非常用電源として活用できる「節約＋防災」の両立が可能です。
まとめ
島根県では「風雪・豪雨・地震リスク」など災害対応力を考慮することが重要です。
関西電力は復旧体制・大規模供給に強み、新電力は料金透明性や再エネで魅力があります。
三隅火力の脱炭素化、小水力や風力・ソーラーなど地域再エネ基盤も加味し、家庭や事業に合った電力会社を選びましょう。
