ネット電力は、基本料金0円を掲げる小売電気サービス。
独自システムで運用コストを抑え、地域最安値圏の単価を目指す設計です。
切替はWeb完結、電気の品質はそのまま、初期費用も不要。
供給エリアは全国(沖縄・一部離島除く)です。
料金は従量に加えて電源調達費調整額(市場連動)や容量拠出金負担額が反映されるため、最新の説明を確認しつつシミュレーションするのが安心です。
ネット電力とは?
運営はSustainableEnergy株式会社。
小売電気事業として全国へ供給し、基本料金0円・地域最安値圏・手続きはWebのみ受け付けというシンプル運用が特長です。
送配電は従来どおり地域の一般送配電事業者が担うため、電気の品質や停電リスクの構造は従来と同じです。
提供エリア
日本全国(沖縄県・一部離島を除く)で申し込み可能です。
料金プランと特徴
基本料金0円+地域最安値圏を目指す単価
基本料金は0円。
自社開発のシステムで申込〜請求までを自動化し、ローコスト運用により低単価化を図っています。
固定費が発生しないため、長期不在や使用量の少ない月は負担を抑えやすく、使用実態に合わせてムダのない支払いがしやすいのが特徴です。
電源調達費調整額(市場連動)
JEPXの調達価格が同社基準を上回る時間帯は加算、下回る時間帯は割引する「電源調達費調整額」を全顧客に適用。
安い時間帯に利用を寄せるほど有利になる仕組みです。
洗濯乾燥・食洗機・EV充電など移動可能な負荷を相対的に安い時間へ寄せることで、実効単価を下げやすくなります。
容量拠出金負担額(2024年4月以降)
容量市場制度の導入に伴い、2024年4月検針以降は全顧客が「容量拠出金負担額」の請求対象となります(将来の供給力確保のために小売電気事業者へ負担が義務付け)。
多くの小売で共通の制度費用であり、年度やエリアで水準が変わり得る点は押さえておきましょう。
明細の注意点と試算の前提
公式シミュレーション等では、再エネ賦課金・電源調達費調整額・市場連動額・容量拠出金等を含まない比較例もあり、実請求はこれらを加味して変動します。
試算時は注記を必ず確認し、直近12か月の使用量(kWh)を用いて“同一条件”で比較すると乖離が生じにくく、意思決定が精緻になります。
デマンドレスポンス(DR)とマイページ
マイページで30分ごとの使用量や翌日のJEPX価格を確認可能。
需要ピークの分散や時間帯シフトに役立ちます。価格が高い予測時に通知を受けて負荷を調整する運用や、スマートプラグ等と組み合わせた家電のタイマー設定で、無理のない節約効果が期待できます。

契約・支払い・開始時期
- 申込方法:Webのみ(電話・メール不可)。
- 開始時期:多くは次回または次々回の検針日に自動切替。
- 契約期間:原則1年・自動更新。
- 解約金:個人は解約金なし(法人は要問合せ)。
- 支払い方法:個人はクレジットカード、法人は口座引落 or クレカ。
- 品質・停電:送配電は従来どおりで品質は変わらず。
メリット・デメリット
メリット
- 基本料金0円で固定費を抑えやすい。
- 市場連動の仕組みを活かし、時間帯シフトで割引効果を狙える。
- DR・マイページで翌日価格と自家消費の可視化が可能。
- Web完結、初期費用なしでスムーズに切替。
デメリット・注意点
- 市場価格上昇時は電源調達費調整額の加算で請求が増えうる。
- 容量拠出金負担額など新制度由来の費用も請求に反映。
- 申込はWeb限定、名義・契約容量変更は原契約側での事前手続きがベター。
どんな人におすすめ?
- 固定費を下げ、使用時間帯の工夫でさらに節約したい人。
- 明細や価格を見ながら運用を最適化できる人(DR活用)。
- Web完結でサクッと切替えたい人。
申し込みの流れ
- 公式サイトの申込フォームから必要情報を入力(Webのみ)。
- 内容確認後、カード登録等の案内が届く→登録。
- 切替処理完了メールで供給開始日を案内。
- 多くは次回または次々回の検針日から自動切替。
よくある質問(FAQ)
切替で停電しやすくなったり、品質が落ちる?
- いいえ。送配電はこれまで通り、地域の一般送配電事業者が担当します。
小売(請求先)だけをネット電力に切り替える仕組みなので、配電設備や復旧の優先度は変わりません。
計画停電・設備メンテは地域の送配電会社の判断で実施され、切替の有無で増えるものではありません。
切替当日も通常は停電を伴わず、スマートメーター未設置の場合の交換作業も短時間で完了するのが一般的です(個別の作業可否や日時は事前案内を確認してください)。 市場連動が不安。どう対策すればいい?
- まずは自分の使用量の“時間帯別のクセ”を把握するのが近道です。
マイページで30分ごとの使用量を確認し、翌日の市場価格の見通しをチェック。
洗濯乾燥・食洗機・EV充電・蓄電池の充放電・給湯の追い焚きなど、移せる負荷を相対的に安い時間帯へ寄せるだけでも効果が出ます。
高止まりが続く時期は、エアコンの設定温度・在宅時の待機電力・照明のLED化といった“総量の最適化”も有効です。
毎月の明細で市場連動額の比率を見て、負担が大きい月は翌月に運用を微調整する——このPDCAを回すとブレを抑えやすくなります。 契約の縛りや解約金は?
- 原則は1年自動更新ですが、個人契約は解約金なしが基本です(法人は条件が異なる場合あり)。
引越しや乗り換えの際は、供給停止日が確定次第、マイページから停止申請を行うとスムーズ。
最終月は日割や検針日基準で清算され、未払い分は登録した支払い方法で請求されます。
キャンペーン適用時の在籍条件や違約条項が個別に設定されることもあるため、申し込み前に最新の約款・注意書きを確認してください。 支払い方法は?
- 個人はクレジットカード払いが基本です。
法人は口座振替またはクレジットカードに対応するケースが一般的です。
請求書・領収書はマイページでダウンロードでき、紙の郵送は行わない運用が主流です。
引落日(またはカード請求日)はカード会社・金融機関の規定に準じます。
名義やカードの変更がある場合は、供給開始前に登録情報を更新しておくと請求遅延を避けられます。 どのくらい安くなる?
- 地域・使用量・季節・世帯構成、市場価格の水準で差が出ます。
直近12か月の検針票から月別kWhを入力し、ネット電力の試算と既存契約の条件を“同一前提”で比較すると実態に近い差額が見えます。
基本料金0円の効果は、使用量が少ない月ほど効きやすい一方、使用量が多い月や市場が高い月は市場連動額の影響で増減幅が出ます。
切替後1~3か月は明細を見て、想定との差をチェックし、必要に応じて時間帯シフトや節電策を足し引きして最適化するのがおすすめです。
まとめ|“基本料金0円×市場連動の見える化”で賢く最適化
ネット電力は、基本料金0円・低コスト運用・DR/マイページの可視化を武器に、時間帯シフトで家計をチューニングできるプランです。容量拠出金や市場連動の影響はあるため、明細チェックと使い方の工夫をセットで。まずは公式のシミュレーションと注記を確認し、あなたの使用実態でメリットを試算してみてください。